XenApp and XenDesktop

Delivery Controller

Delivery Controllerは、ユーザーアクセスの管理や接続の仲介と最適化を行うためのサーバー側のコンポーネントです。また、Controllerは、デスクトップおよびサーバーイメージを作成するMachine Creation Serviceも提供します。

サイトには、1つ以上のControllerが必要です。1つめのControllerのインストール後、サイトを作成するとき、または後日、さらにControllerを追加できます。サイトに複数のControllerがあると、以下の2つの利点がもたらされます。

  • 冗長性: ベストプラクティスとしては、実稼働サイトでは、常時2つ以上のControllerをそれぞれ異なる物理サーバー上に配置することをお勧めします。一方のControllerに障害が発生しても、他方のControllerで接続を管理し、サイトを制御できます。
  • スケーラビリティ: サイトのアクティビティが増えるにつれ、Controller上のCPU使用率およびデータベースアクティビティも増加します。Controllerを追加すると、より多くのユーザーやより多くのアプリケーションやデスクトップ要求を処理できるようになり、制御処理全体を向上させることができます。

各Controllerは、サイトデータベースと直接通信を行います。複数のゾーンを持つサイトでは、各ゾーンに存在するControllerが、プライマリゾーンにあるサイトデータベースと通信します。

重要:

サイトの構成後、コンピューター名やControllerのドメインメンバーシップを変更しないでください。

ControllerへのVDAの登録方法

VDAを使用するには、そのサイトのDelivery Controllerに登録(接続を確立)する必要があります。VDAの登録について詳しくは、「Delivery ControllerへのVDAの登録」を参照してください。

(XenAppおよびXenDesktop 7.xリリース以前の文書では、この文書にVDAの登録についての情報が含まれていました。この情報は増強され、現在は上記に関連した文書に含まれています)。

Controllerの追加、削除、または移動

Controllerの追加、削除、移動を行うには、データベースの記事に記載されているサーバーの役割とデータベースの役割の権限が必要です。

注:

SQLクラスター化またはSQLミラー化インストールにおける、ノード上へのControllerのインストールはサポートされていません。

展開環境でデータベースのミラーリングを使用している場合は、以下の点について注意してください。

  • Controllerを追加、削除、または移動する前に、プライマリデータベースとミラーデータベースの両方が実行中であることを確認してください。また、SQL Server Management Studioでスクリプトを使用している場合は、SQLCMDモードを有効にしてください。
  • Controllerの追加、削除、または移動後にミラーリングを確認するには、PowerShellコマンドレットget-configdbconnectionを実行し、ミラーに対する接続文字列でフェールオーバーパートナーが設定されているか確認します。

Controllerの追加、削除、または移動後の作業

  • 自動更新が有効な場合は、VDAは90分以内に最新のController一覧を受信します。
  • 自動更新が無効な場合は、すべてのVDAについてControllerポリシー設定またはListOfDDCsレジストリキーが更新されていることを確認してください。Controllerをほかのサイトに移動した後は、両方のサイト上でポリシー設定またはレジストリキーを更新する必要があります。

Controllerの追加

Controllerは、サイトの作成時、または後日、追加できます。以前のバージョンがインストールされたControllerをこのバージョンのサイトに追加することはできません。

  1. サポートされているオペレーティングシステムが稼動しているサーバーでインストーラーを実行します。Delivery Controllerコンポーネントと、必要なコアコンポーネントをすべてインストールします。インストールウィザードを完了します。
  2. サイトをまだ作成していない場合は、Studioを起動します。サイトの作成を促すメッセージが表示されます。 サイトの作成ウィザードの[データベース]ページで[選択]ボタンをクリックし、追加するControllerがインストールされているサーバーのアドレスを追加します。重要: データベースの初期化スクリプトを生成する計画がある場合は、スクリプトを生成する前に、Controllerを追加してください。
  3. サイトの作成が既に済んでいる場合は、Studioで、追加のControllerをインストールしたサーバーを指定します。[展開の変更] をクリックし、サイトのアドレスを入力します。

Controllerの削除

Controllerを削除すると、Citrixソフトウェアやそのほかのコンポーネントはアンインストールされませんが、データベースからそのControllerが削除されます。このため、このControllerでは接続の仲介やそのほかのタスクを実行できなくなります。削除したControllerを、後で元のサイトや別のサイトに追加することができます。サイトには最低1つのControllerが必要なため、Studioの一覧に表示される最後のControllerを削除することはできません。

サイトからController削除しても、データベースサーバーへのControllerログオンは削除されません。これは、同じマシン上のほかの製品のサービスで使用されるログオンが削除されるのを防ぐためです。ログオンが必要ない場合には、手動で削除する必要があります。ログオンの削除には、securityadminサーバーロール権限が必要です。

重要:

サイトからControllerを削除するまでは、Active DirectoryでそのControllerを削除しないでください。

  1. Controllerが動作しており、1時間以内にそのControllerがStudioにロードされることを確認してください。削除するControllerがStudioにロードされたら、メッセージに従ってControllerをシャットダウンしてください。
  2. Studioのナビゲーションペインで [構成]>[Controller] の順に選択し、削除するControllerを選択します。
  3. [操作]ペインで [Controllerの削除] を選択します。適切なデータベースロールや権限がない場合は、Controllerを削除するためのスクリプトを生成できます。そのスクリプトの実行をデータベース管理者に依頼してください。
  4. データベースサーバーからControllerのマシンアカウントを削除しなければならない場合があります。これを行う前に、ほかのサービスがそのアカウントを使用していないことを確認してください。

Studioを使ってControllerを削除した後、実行中のタスクを適切に完了させるためにそのControllerへのトラフィックがしばらく残ることがあります。Controllerを即座に削除するには、Controllerがインストールされているサーバーをシャットダウンするか、Active Directoryからそのサーバーを削除することをお勧めします。その後で、サイト内のほかのControllerを再起動します。これにより、削除されたControllerとの通信が行われなくなります。

Controllerの別のゾーンへの移動

サイトに複数のゾーンが含まれている場合、Controllerを別のゾーンに移動できます。VDA登録やほかの操作に対するこの操作の影響については、ゾーンの記事を参照してください。

  1. Studioのナビゲーションペインで [構成]>[Controller] の順に選択し、移動するControllerを選択します。
  2. [操作]ペインで [移動] を選択します。
  3. Controllerの移動先ゾーンを指定します。

Controllerの別のサイトへの移動

このソフトウェアの以前のバージョンで作成されたサイトには、Controllerを移動できません。

  1. Controllerが現在配置されているサイト(移動元サイト)でStudioを開き、ナビゲーションペインで [構成]>[Controller] の順に選択し、移動するControllerを選択します。
  2. [操作]ペインで [Controllerの削除] を選択します。データベースに対する適切な役割や権限がない場合は、Controllerを削除するためのスクリプトを生成できます。そのスクリプトの実行をデータベース管理者など該当する権限を持つユーザーに依頼してください。サイトには最低1つのControllerが必要なため、Studioの一覧に表示される最後のControllerを削除することはできません。
  3. 移動するControllerでStudioを開き、確認メッセージに応じてサービスをリセットします。さらに、[既存のサイトへ参加]を選択して、移動先サイトのアドレスを入力します。

VDAから別のサイトへの移動

VDAがProvisioning Servicesを使ってプロビジョニングされた場合、または既存のイメージの場合、アップグレード時、またはテストサイトで作成されたVDAイメージを実務環境サイトに移動させる場合に、VDAをほかのサイトに移動(サイト1からサイト2へ)できます。MCSはListOfDDCsの変更をサポートせずVDAはControllerへの登録をチェックするため、Machine Creation Services(MCS)を使ってプロビジョニングされたVDAをあるサイトから別のサイトには移動できません。MCSを使ってプロビジョニングされるVDAは、作成されたサイトに割り当てられたListOfDDCsをチェックします。

VDAをほかのサイトに移動するにはインストーラーを使用するか、Citrixポリシーを使用します。

インストーラー:インストーラーを実行して、サイト2のControllerのFQDN(DNSエントリ)を指定してこのControllerを追加します。重要: Controllerのポリシー設定を使用しない場合にのみ、インストーラーでControllerを指定します。

グループポリシーエディター:次の例では、複数のVDAをほかのサイトに移動します。

  1. サイト1でポリシーを作成して以下のように設定し、そのポリシーをVDA移行を行うデリバリーグループに割り当てます。
    Controller:サイト2の1つまたは複数のControllerの完全修飾ドメイン名(DNSエントリ)を指定します。 Controllerの自動更新を有効にする -[無効]に設定します。
  2. デリバリーグループの各VDAは、新しいポリシーの適用後90分以内にアラートを受信します。VDAは、受信したControllerの一覧を無視して(自動更新が無効なため)、ポリシーで指定されているサイト2のいずれかのControllerを選択します。
  3. VDAがサイト2のControllerへの登録に成功すると、サイト2のListOfDDCsおよびポリシー情報を受け取って、これにより自動更新が有効になります。サイト1での登録先のControllerがサイト2のControllerによって送信された一覧にはないため、サイト2の一覧のControllerのいずれかにVDAが再登録されます。これにより、VDAはサイト2からの情報に基づいて自動的に更新されます。

グループポリシーエディターの使用方法については、「Citrixポリシー」のドキュメントを参照してください。

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