マシンカタログの管理
はじめに
マシンカタログにマシンを追加したり、カタログからマシンを削除したり、マシンカタログの名前や説明を変更したりすることができます。また、カタログのActive Directoryコンピューターアカウントを管理できます。
カタログの管理には、最新のOSアップデート、アンチウイルスプログラムのアップデート、オペレーティングシステムのアップグレード、または構成の変更が、各マシンに適用されていることの確認も含めることができます。
- Machine Creation Services(MCS)を使用して作成されたプール(ランダム)マシンが含まれるカタログの場合は、カタログで使用されるマスターイメージを更新してマシンを管理します。マスターイメージの更新後に、マシンを更新します。このプロセスによって、多数のユーザーマシンを効率的に更新することができます。Provisioning Servicesで作成されたマシンの場合は、vDiskを介してマシンを更新します。詳しくは、Provisioning Servicesのドキュメントを参照してください。
- 静的で恒久的に割り当てられたマシンが含まれるカタログと、リモートPCアクセスマシンカタログの場合は、ユーザーのマシンに対する更新をStudioの外で管理します。サードパーティ製のソフトウェア配信ツールを使用して、個々のデスクトップまたはデスクトップのグループを管理します。
ホストハイパーバイザーおよびクラウドサービスへの接続の作成と管理については、「接続とリソース」を参照してください。
永続インスタンスについて
永続インスタンスまたは専用インスタンスを使用して作成されたMCSカタログを更新する場合、カタログで作成された新しいマシンは更新されたイメージを使用します。既存のインスタンスは引き続き元のインスタンスを使用します。これを確実にするには、PowerShellコマンドを使用してマスターイメージを更新する必要があります。詳しくは、Knowledge Centerの記事CTX129205を参照してください。
他の種類のカタログでも、イメージの更新プロセスは同様です。以下に注意してください:
- 永続ディスクカタログでは、既存のマシンは新しいイメージに更新されませんが、追加されたマシンは新しいイメージを使用します。
- 永続ディスクカタログではない場合、次回のマシンのリセット後にマシンイメージが更新されます。
- 永続マシンカタログでは、イメージを更新するとそのイメージを使用するカタログインスタンスも更新されます。
- 永続的ではないカタログの場合、マシンごとに異なるイメージを使用するには、個別のカタログ内にイメージが存在する必要があります。
マシンカタログへのマシンの追加
以下の点に注意してください:
- 追加するマシンの数に応じて十分なプロセッサ、メモリ、ストレージが仮想化ホスト(ハイパーバイザーまたはクラウドサービスプロバイダー)上にあることを確認してください。
- 十分な数のActive Directoryコンピューターアカウントが使用可能であることを確認してください。既存のアカウントを使用している場合、使用可能なアカウントの数により、追加できるマシンの数が制限されることに注意してください。
- 追加するマシン用にStudioでActive Directoryコンピューターアカウントを作成する場合は、適切なドメイン管理者権限も必要です。
マシンカタログにマシンを追加するには、以下の手順に従います:
- Studioのナビゲーションペインで [マシンカタログ] を選択します。
- マシンカタログを選択し、[操作] ペインの [マシンの追加] を選択します。
- 追加する仮想マシンの数を選択します。
- 追加する仮想マシンの数に対し、既存のActive Directoryアカウントの数が不足している場合は、作成するアカウントのドメインと場所を選択します。アカウント名前付けスキームを指定します。番号記号(#)により、名前に追加される連番または文字とその位置が定義されます。組織単位名にはスラッシュ(/)を使用しないでください。名前の先頭に番号記号を配置することはできません。たとえば、名前付けスキームとして「PC-Sales-##」を指定して[0~9]を選択すると、PC-Sales-01、PC-Sales-02、PC-Sales-03などのコンピューターアカウント名が作成されます。
- 既存のActive Directoryアカウントを使用する場合、アカウントを参照するか、[インポート] をクリックしてアカウント名の一覧のCSVファイルを指定します。追加するマシンに十分な数のアカウントをインポートする必要があります。Studioはこれらのアカウントを管理 します。すべてのアカウントのパスワードのリセットをStudioに許可するか、アカウントのパスワードを指定します(すべてのアカウントで同じパスワードを使用する必要があります)。
マシンの作成はバックグラウンドプロセスとして実行され、多くのマシンを追加する場合には時間がかかることがあります。Studioを終了してもマシンの作成処理は続行されます。
マシンカタログからのマシンの削除
マシンをマシンカタログから削除すると、ユーザーはそのマシンにアクセスできなくなります。そのため、マシンを削除する前に以下の点について確認してください:
- マシン上に重要なユーザーデータがなく、データがある場合はバックアップ済みであること。
- すべてのユーザーがログオフしていること。メンテナンスモードをオンにすると、マシンに新たに接続できなくなります。
- マシンの電源がオフになっていること。
カタログからマシンを削除するには、以下の手順に従います。
- Studioのナビゲーションペインで [マシンカタログ] を選択します。
- マシンカタログを選択し、[操作] ペインの [マシンの表示] を選択します。
- 1台または複数のマシンを選択し、[操作] ペインの [削除] を選択します。
マシンを削除するかどうかを選択します。マシンを削除する場合は、マシンのActive Directoryアカウントを残すか、無効にするか、削除するかを指定します。
マシンカタログの説明やリモートPCアクセスの設定を変更する
- Studioのナビゲーションペインで [マシンカタログ] を選択します。
- マシンカタログを選択し、[操作] ペインの [マシンカタログの編集] を選択します。
- (リモートPCアクセスカタログのみ)[電源管理] ページでは、電源管理設定を変更したり、電源管理接続を選択したりすることができます。[組織単位] ページでは、Active Directory組織単位を追加または削除します。
- [説明] ページでは、カタログの説明を変更します。
マシンカタログ名の変更
- Studioのナビゲーションペインで [マシンカタログ] を選択します。
- マシンカタログを選択し、[操作] ペインの [マシンカタログの名前を変更] を選択します。
- 新しい名前を入力します。
別のゾーンへのマシンカタログの移動
展開に複数のゾーンがある場合、カタログをゾーン間で移動させることができます。
カタログをそのカタログの仮想マシンが含まれるハイパーバイザーまたはクラウドサービスプロバイダー以外のゾーンに移動すると、パフォーマンスが低下する可能性があることに注意してください。
- Studioのナビゲーションペインで [マシンカタログ] を選択します。
- カタログを選択し、[操作] ペインの [移動] を選択します。
- カタログの移動先ゾーンを選択します。
マシンカタログの削除
カタログを削除する前に、以下の点について確認してください:
- すべてのユーザーがログオフしており、実行中の切断セッションがないこと。
- カタログ内のすべてのマシンのメンテナンスモードがオンで、新たに接続できないこと。
- カタログ内のすべてのマシンの電源がオフになっていること。
- そのカタログがデリバリーグループに関連付けられていないこと。すなわち、そのカタログのマシンがデリバリーグループに含まれていないこと。
カタログを削除するには、以下の手順に従います:
- Studioのナビゲーションペインで [マシンカタログ] を選択します。
- マシンカタログを選択し、[操作] ペインの [マシンカタログの削除] を選択します。
- カタログ内のマシンを削除するかどうかを指定します。マシンを削除する場合は、マシンのActive Directoryコンピューターアカウントを残すか、無効にするか、削除するかを指定します。
マシンカタログにおけるActive Directoryコンピューターアカウントの管理
マシンカタログのActive Directoryアカウントについて、次の操作を行えます:
- デスクトップOSカタログおよびサーバーOSカタログからActive Directoryコンピューターアカウントを削除して未使用のマシンアカウントを解放する。解放したアカウントは、ほかのマシンで使用可能になります。
- カタログに追加するマシン用のコンピューターアカウントを追加しておく。組織単位名にはスラッシュ(/)を使用しないでください。
Active Directoryアカウントを管理するには、以下の手順に従います。
- Studioのナビゲーションペインで [マシンカタログ] を選択します。
- カタログを選択し、[操作] ペインの [Active Directoryアカウント管理] を選択します。
- 必要に応じてコンピューターアカウントを追加または削除します。アカウントを追加する場合は、すべてのアカウントのパスワードをリセットするか、すべてのアカウントに適用されるパスワードを入力するかを選択します。アカウントの現在のパスワードがわからない場合は、すべてのアカウントのパスワードをリセットするオプションを選択します。パスワードをリセットするための権限が必要です。パスワードを指定する場合は、アカウントのインポート時にパスワードが変更されます。アカウントを削除する場合は、そのアカウントをActive Directory内で保持するか、無効にするか、または削除するかを選択します。
マシンをカタログから削除するか、カタログを削除する場合にも、Active Directoryアカウントを保持するか、無効にするか、または削除するかを指定することができます。
マシンカタログの更新
カタログ内のマシンを更新する前に、マスターイメージのコピーまたはスナップショットを保存しておくことをお勧めします。データベースには、各マシンカタログで使用されたマスターイメージの履歴記録が保持されます。デスクトップの更新によりユーザーの操作に問題が発生した場合は、カタログ内のマシンをロールバックして以前のバージョンのマスターイメージに戻し、ユーザーのダウンタイムを最小限に抑えることができます。マスターイメージの削除、移動、または名前変更は行わないでください。これらの操作を行うと、カタログを元に戻してマスターイメージを使用することができなくなります。
Provisioning Servicesが使用されているカタログで変更内容を反映させるには、新しいvDiskを公開する必要があります。詳しくは、Provisioning Servicesのドキュメントを参照してください。
マシンは、更新後に自動的に再起動されます。
マスターイメージの更新またはマスターイメージの作成
カタログを更新する前に、既存のマスターイメージを更新するか、またはホストハイパーバイザー上で作成します。
- ハイパーバイザー上またはクラウドサービスプロバイダー上で、現在の仮想マシンのスナップショットを作成してわかりやすい名前を付けます。このスナップショットを使用して、カタログ内のマシンを元に戻す(ロールバックする)ことができます。
- 必要に応じて、マスターイメージをオンにしてログオンします。
- 更新をインストールするか、マスターイメージに対して必要な変更を加えます。
- マスターイメージでPersonal vDiskが使用される場合は、インベントリを更新します。
- 仮想マシンの電源を切ります。
- 仮想マシンのスナップショットを作成してわかりやすい名前を付けます。この名前は、Studioでのカタログの更新時に使用されます。Studioでスナップショットを作成することもできますが、ハイパーバイザー側の管理コンソールでスナップショットを作成し、それをStudioで選択することをお勧めします。これにより、スナップショットに自動生成される名前を付けるのではなく、わかりやすい名前と説明を指定できます。GPUの仮想化機能を使用したマスターイメージを更新する場合は、XenServerのXenCenterを使用する必要があります。
カタログの更新
更新を準備し、カタログ内のすべてのマシンにロールアウトするには、以下の手順に従います:
- Studioのナビゲーションペインで [マシンカタログ] を選択します。
- カタログを選択して、[操作] ペインの [マシンの更新] を選択します。
- [マスターイメージ] ページで、ホストおよびロールアウトするイメージを選択します。
- [ロールアウト方法] ページで、マシンカタログ内のマシンを新しいマスターイメージによって更新するタイミング:次回シャットダウン時または即時を選択します。詳しくは以下を参照してください。
- [概要] ページの情報を確認し、[完了] をクリックします。各マシンは、更新後に自動的に再起動されます。メンテナンスモードのVDAを再起動することはできません。
Studioではなく、PowerShell SDKを使用してカタログを直接更新する場合、イメージまたはそのスナップショットの代わりに、ハイパーバイザーテンプレート(VMTemplates)を指定できます。
ロールアウト方法
次回のシャットダウン時にイメージを更新すると、現在使用されていないマシン、つまりアクティブなユーザーセッションのないマシンにも即座に反映されます。現在アクティブなセッションが終了すると、使用中のシステムも更新を受け取ります。以下に注意してください:
- 新しいセッションは、該当するマシンで更新が完了するまで起動できません。
- デスクトップOSマシンでは、マシンが使用されていないとき、またはユーザーがログインしていないときに、即座にマシンが更新されます。
- 子マシンがあるサーバーOSの場合、再起動は自動的に行われません。手動でシャットダウンし、再起動する必要があります。
ヒント:
ホスト接続の詳細設定を使用して、再起動するマシンの数を制限します。これらの設定を使用して、特定のカタログに対して実行されるアクションを変更します。詳細設定はハイパーバイザーによって異なります。
イメージを即時に更新する場合、配信時間および通知を構成します。
- 分散時間: すべてのマシンを同時に更新するか、カタログ内のすべてのマシンの更新を開始するまでの合計時間を指定することができます。内部アルゴリズムにより、その時間内において各マシンの更新および再起動のタイミングが決定されます。
- 通知: 左の[通知]ドロップダウンで、更新を開始する前に、マシンに通知メッセージを表示するかどうかを選択します。デフォルトでは、メッセージは表示されません。更新開始の15分前にメッセージが表示されるように(右のボックスで)選択した場合、最初のメッセージの後、5分ごとにメッセージが繰り返し送信されるように選択することができます。デフォルトでは、メッセージは繰り返して送信はされません。すべてのマシンの同時更新を選択した場合を除き、通知メッセージは、内部アルゴリズムによって計算された、更新開始前の適切なタイミングで各マシンに表示されます。
更新のロールバック
更新後または新規のマスターイメージは、ロールアウトした後にロールバックすることができます。ロールバックは、新たに更新されたマシンで問題が発生した場合に必要になることがあります。ロールバックした場合、カタログ内のマシンは前回の動作イメージまでロールバックされます。より新しいイメージを必要とする新機能は、利用できなくなります。ロールアウトと同様に、ロールバックでもマシンは再起動されます。
- Studioのナビゲーションペインで [マシンカタログ] を選択します。
- カタログを選択し、[操作] ペインの [マシン更新のロールバック] を選択します。
- ロールアウト処理について前に説明したとおり、古いマスターイメージをマシンに適用するタイミングを指定します。
ロールバックは、復元が必要なマシンにのみ適用されます。たとえば、マスターイメージの更新時にログアウトしなかったユーザーなど、更新したマスターイメージが適用されていないマシンのユーザーは、通知メッセージを受信したり強制的にログオフされたりすることはありません。
マシンカタログのアップグレードまたはアップグレードを元に戻す
マシン上のVDAを新しいバージョンにアップグレードした場合は、マシンカタログをアップグレードする必要があります。すべてのVDAを最新バージョンにアップグレードして、最新の機能をすべて使用できるようにすることをお勧めします。
マシンカタログをアップグレードする前に、次の操作を行います。
- Provisioning Servicesを使用している場合は、VDAをアップグレードします。プロビジョニングコンソールはVDAバージョンを保持しません。Provisioning Servicesは、XenAppおよびXenDesktopセットアップウィザードと直接通信して、作成されたカタログにVDAバージョンを設定します。
- アップグレードしたマシンを起動します。これにより、マシンがControllerに登録されます。このときに、そのマシンカタログ内のマシンについてアップグレードが必要かどうかがStudioによりチェックされます。
マシンカタログをアップグレードするには、以下の手順に従います:
- Studioのナビゲーションペインで [マシンカタログ] を選択します。
- カタログを選択します。下ペインの [詳細] タブにバージョン情報が表示されます。
- [カタログのアップグレード] を選択します。Studioによりアップグレードが必要なことが検出されると、メッセージが表示されます。画面の指示に従って操作します。アップグレードできないマシンがある場合は、その理由を説明するメッセージが示されます。すべてのマシンを適切に動作させるため、マシンカタログをアップグレードする前にマシンの問題を解決しておくことをお勧めします。
カタログをアップグレードした後でマシンを以前のVDAバージョンに戻すには、カタログを選択し、[操作] ペインの [元に戻す] を選択します。
トラブルシューティング
マシンの状態が「Power State Unknown」の場合、CTX131267を参照してください。