HDXトランスポート

HDXアダプティブスループット

2408バージョン以降では、HDXアダプティブループットがサポートされます。 この機能は、出力バッファーを調整することで、ICAセッションのピークスループットをインテリジェントに微調整します。 出力バッファーの数は、最初は大きい値に設定されます。 値を大きくすることで、特に高遅延のネットワークで、データをより迅速かつ効率的にクライアントに送信できます。

この機能は、高い双方向性、高速なファイル転送、スムーズなビデオ再生、および高いフレームレートと解像度により、優れたユーザーエクスペリエンスを実現します。

セッションの双方向性を常に測定して、ICAセッション内のデータストリームが双方向性に悪影響を及ぼしているかどうかを判別します。 悪影響を及ぼしている場合、スループットを低下させて、大規模データストリームがセッションに与える影響を減らし、双方向性を回復できるようにします。

この機能はデフォルトで有効になっています。

アダプティブトランスポート(EDT)

アダプティブトランスポートは、サーバーのスケーラビリティを維持しながら、要求の厳しい長距離接続で優れたユーザーエクスペリエンスを提供します。 この機能は、Webベースのプラットフォームで高品質のHDXエクスペリエンスを提供します。

この機能を有効にするには、構成手順を実行してください。

詳しくは、Citrix Virtual Apps and Desktopsドキュメントの「アダプティブトランスポート」を参照してください。

要件

アダプティブトランスポートを使用するための要件は次のとおりです:

VDAのシステム要件

  • Virtual Delivery Agent

    ◈ 現在サポートされているバージョン(2402以降を推奨)

詳しくは、Citrix Virtual Apps and Desktopsドキュメントの「システム要件」を参照してください。

VDAのネットワーク要件

内部ネットワークと外部ネットワークでファイアウォールを有効にします。 詳しくは、Citrix Virtual Apps and Desktopsドキュメントの「ネットワーク要件」を参照してください。

ゲートウェイの要件

Citrix NetScaler Gateway

  • 14.1.12.30以降(推奨)
  • 13.1.17.42以降(13.1.52.19以降を推奨)

詳しくは、「Ctirix Gateway」を参照してください。

オンプレミスのCitrix Gateway

詳しくは、NetScaler Gatewayドキュメントの「HDX対応のデータ転送サポート」を参照してください。

Citrix Gatewayサービス

詳しくは、Citrix Gatewayサービスドキュメントの「Citrix GatewayサービスのEDTサポートを備えたHDXアダプティブトランスポート」を参照してください。

Chrome OSの要件

  • 推奨されるChromiumバージョンは>=133以降です。
  • ネットワーク:

    ◈ SSL VDAを使用するゲートウェイまたは非ゲートウェイの場合は、クライアント側ネットワークのファイアウォールでUDPポート443を有効にします。

    ◈ 非ゲートウェイおよび非SSL VDAを使用する場合は、クライアント側ネットワークのファイアウォールでUDPポート2598と1494を有効にします。

この機能の既知の制限事項

  • ChromeOSバージョンが125~132の場合、セッションが断続的にフリーズすることがあります。

  • 証明書チェーンに中間証明書がない場合、アダプティブトランスポート機能が動作しない可能性があります。 [CVADHELP-27012]

  • ChromeOSバージョン133を使用すると、セッション画面の保持(SR)の再接続中にChromeOS向けCitrix Workspaceアプリが応答しなくなることがあります。 [RFHTMCRM-15117]

Technical Preview以降に解決された問題

  • コンプライアンスを強化するために、証明書チェーン内における証明書ポリシーの拡張の検証に関連した問題を解決しました。 [CVADHELP-27012]

  • VDAの電源がオフになっていると、リースの起動が開始できず、「接続リースが解決中です」という進行状況のメッセージのまま停止します。回避策としては、しばらく待ってからセッションを再起動してください。 [RFHTMCRM-15129]

この機能の既知の問題

  • UDPセットアップの場合、TCPが接続されると、セッションがアダプティブトランスポートに戻ることが確実ではない可能性があります。 [RFHTMCRM-15116]

構成方法

アダプティブトランスポート機能は次のいずれかの方法で構成できます:

  • Google管理ポリシー
  • Global App Configuration Service

Google管理ポリシー

管理対象デバイスとユーザーの場合、管理者は、次のようにGoogle管理ポリシーを使用して機能を有効にできます:

  1. Google管理ポリシーにサインインします。
  2. [端末管理] > [Chrome搭載端末] > [ユーザー設定]の順に移動します。
  3. 次の文字列をengine_settingsキーの下のpolicy.txtファイルに追加します。 この構成は以下に適用できます:

    メモ:

    この構成は以下にも適用できます:

    • [Device] > [Chrome] > [Apps and extensions] > [Users and browsers] >[Search for the extension]>[Policy for extensions]。
    • [Device] > [Chrome] > [Apps and extensions] > [Kiosks] >[Search for the extension]>[Policy for extensions]。
    • [Device] > [Chrome] > [Apps and extensions] > [Managed guest sessions] >[Search for the extension]>[Policy for extensions]。

    このようなJSONデータの例を次に示します:

    { "settings": { "Value": { "settings_version": "1.0", "engine_settings": { "features": { "edt": { "enabled": true } } } } } }
  4. 変更を保存します。

Global App Configuration Service

管理者は、[ワークスペース構成] > [アプリ構成] > [Session Experience] > [Connectivity] > [Adaptive Transport].に移動して、この機能を有効にできます。 機能を有効にするには、チェックボックスとそれぞれのトグルボタンを選択します。

検証手順

EDTまたはTCP経由で接続を確認するには:

  1. Citrix VDAセッションでコマンドプロンプトを開きます。
  2. ctxSession-vを実行します。
  3. アダプティブトランスポートEDTの出力は、次のように確認できます:

    • SSL VDAを使用している場合は、UDP->DTLS->CGP->ICAです。
    • SSL以外のVDAを使用している場合は、UDP->CGP->ICAです。

    EDT

ログのデバッグと収集

アダプティブトランスポート機能が動作しない場合:

  • ChromeOS向けCitrix Workspaceアプリのログを収集します。 詳しくは、「クライアントログ」を参照してください。
  • アダプティブトランスポートで接続の問題が発生した場合は、同じネットワーク、ストアURL、およびユーザー情報を使用して、WindowsまたはMac向けCitrix Workspaceアプリでその機能をテストしてください。 他のCitrix Workspaceアプリクライアントでテストすると、潜在的な構成やネットワーク関連の問題を特定して排除するのに役立つ場合があります。

  • ネットワークトレース- ゲートウェイログを収集します。

  • VDA側のCDFトレース - システム起動時にCitrix Diagnostic Facility(CDF)トレースを収集します。
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