コマンドラインを使用したVDAのインストール
はじめに
この記事の対象は、WindowsオペレーティングシステムがインストールされたマシンでのVirtual Delivery Agent(VDA)のインストール、アップグレード、カスタマイズです。
この記事では、VDAのインストールコマンドの実行方法について説明します。インストールを始める前に、「VDAのインストール」を参照して、インストールに関する考慮事項、インストーラー、インストール中に指定する内容について確認してください。
コマンドラインによるVDAのインストール
VDAのインストールおよびコマンド実行の進行状況と戻り値の確認を行うには、管理権限を持っているか、[管理者として実行] を使用する必要があります。
- VDAをインストールするマシンで、Citrix Cloudにサインインします。
- 左上のメニューで、[マイサービス]>[DaaS] を選択します。
- 右上の [ダウンロード] をクリックし、[VDAのダウンロード] を選択します。VDAダウンロードページにリダイレクトされます。目的のVDAインストーラーを見つけて、[ファイルのダウンロード] をクリックします。
-
ダウンロードが完了したら、ダウンロードしたファイル名を指定して実行します。この記事で説明するオプションを使用してください。
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マルチセッションOS Virtual Delivery Agentの場合は、
VDAServerSetup.exe
を実行します。 -
シングルセッションOS Virtual Delivery Agentの場合は、
VDAWorkstationSetup.exe
を実行します。 -
シングルセッションOS Core Services Virtual Delivery Agentの場合は、
VDAWorkstationCoreSetup.exe
を実行します。
-
インストール前にファイルを展開するには、絶対パスを指定して/extract
を実行します(例:.\VDAWorkstationCoreSetup.exe /extract %temp%\CitrixVDAInstallMedia
)。(ディレクトリはあらかじめ存在する必要があります。それ以外の場合、抽出は失敗します。)次に、別のコマンドで、この記事に記載されている有効なオプションを使用して、適切なコマンドを実行します。
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VDAServerSetup_XXXX.exe
については、<extract folder>\Extract\Image-Full\x64\XenDesktop Setup\XenDesktopVDASetup.exe
を実行します。 -
VDAWorkstationCoreSetup_XXXX.exe
については、<extract folder>\Extract\Image-Full\x64\XenDesktop Setup\XenDesktopRemotePCSetup.exe
を実行します。 -
VDAWorkstationSetup_XXXX.exe
については、<extract folder>\Extract\Image-Full\x64\XenDesktop Setup\XenDesktopVDASetup.exe
を実行します。
VDAのインストールで使用するコマンドラインオプション
次のオプションは、VDAServerSetup.exe
、VDAWorkstationSetup.exe
、VDAWorkstationCoreSetup.exe
の各コマンドの1つ以上で使用できます。
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/components component[,component]
インストールまたは削除するコンポーネントをコンマ区切りのリストで指定します。以下の値を指定します:
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VDA: Virtual Delivery Agent
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PLUGINS: Windows向けCitrix Workspaceアプリ
VDAおよびCitrix Workspaceアプリをインストールするには、「
/components vda,plugins
」と指定します。plugins
オプションを指定しない場合、VDAのみがインストールされます(Citrix Workspaceアプリはインストールされません)。このオプションは、
VDAWorkstationCoreSetup.exe
インストーラーを使用している場合無効です。このインストーラーでは、Citrix Workspaceアプリはインストールできません。 -
-
/controllers “controller [*controller*]…”
VDAが通信可能なCitrix Cloud ControllerのFQDNを、直線の二重引用符で囲んだスペース区切りのリストで指定します。
/site_guid
と/controllers
の両方を指定しないでください。 -
/disableexperiencemetrics
インストール、アップグレード、または削除中に収集される分析のCitrixへの自動アップロードが阻止されます。
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/enable_hdx_ports
Windowsファイアウォールサービスが実行されている場合に(ファイアウォールが無効になっていても)、VDAおよび有効な機能(Windowsリモートアシスタンスは除く)で必要なポートが開放されます。Windows以外のファイアウォールを使用している場合は、手作業でファイアウォールを構成する必要があります。ポートについて詳しくは、「ネットワークポート」を参照してください。
HDXアダプティブトランスポートが使用するUDPポートを解放するには、
/enable_hdx_ports
に加えて、/enable_hdx_udp_ports
を指定します。 -
/enable_hdx_udp_ports
Windowsファイアウォールサービスが検出された場合に(ファイアウォールが無効になっていても)、HDXアダプティブトランスポートが必要とするUDPポートがWindowsファイアウォールで開放されます。Windows以外のファイアウォールを使用している場合は、手作業でファイアウォールを構成する必要があります。ポートについて詳しくは、「ネットワークポート」を参照してください。
VDAが使用するポートを解放するには、
/enable_hdx_udp_ports
に加えて、/enable_hdx_ports
を指定します。 -
/enable_real_time_transport
オーディオパケットでUDPを使用してパフォーマンスを向上させる機能(RealTime Audio Transport)を有効または無効にします。この機能を有効にすると、オーディオパフォーマンスを向上させることができます。Windowsファイアウォールサービスが検出されたときにUDPポートが開放されるようにするには、
/enable_hdx_ports
を指定してください。 -
/enable_remote_assistance
監視機能で使用するWindowsリモートアシスタンスのシャドウ機能を有効にします。このオプションを指定すると、Windowsリモートアシスタンスによってファイアウォールで動的ポートが解放されます。
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/enablerestoreまたは/enablerestorecleanup
(シングルセッションVDAにのみ有効)これにより、VDAのインストールまたはアップグレードが失敗した場合に、復元ポイントへの自動復帰が有効になります。
インストールまたはアップグレードが正常に完了した場合:
-
/enablerestorecleanup
は、復元ポイントを削除するようインストーラーに指示します。 -
/enablerestore
は、復元ポイントが使用されなかった場合でも、その復元ポイントを維持するようインストーラーに指示します。
詳しくは、「インストールまたはアップグレードの失敗時の復元」を参照してください。
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-
/enable_ss_ports
Windowsファイアウォールサービスが検出された場合に(ファイアウォールが無効になっていても)、画面共有に必要なポートがWindowsウォールで開放されます。Windows以外のファイアウォールを使用している場合は、手作業でファイアウォールを構成する必要があります。
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/exclude “component”[,”component”]
二重引用符で囲まれた、オプションコンポーネントをインストールしません。複数のコンポーネントを指定する場合は、カンマで区切って、それぞれ直線の二重引用符で囲みます。たとえば、MCS管理のイメージ上でVDAをインストールまたはアップグレードするには、Machine Identity Serviceコンポーネントが必要です。以下の値を指定します:
- Machine Identity Service
- Citrix Profile Management
- Citrix Profile Management WMIプラグイン
- Citrix Personalization for App-V - VDA
- Citrix Supportability Tools
- Citrix MCS IODriver
- Citrix VDA Upgrade Agent
- Citrix Rendezvous V2
インストール対象(
/exclude "Citrix Profile Management"
)からCitrix Profile Managementを除外すると、[監視] タブでのVDAの監視やトラブルシューティングに影響が生じます。[ユーザーの詳細] ページの[個人設定]パネル、および [エンドポイント] ページの[ログオン処理時間]パネルに不具合が発生します。[ダッシュボード] ページと [傾向] ページでは、Profile Managementがインストールされているマシンについてのデータしか[平均ログオン処理時間]パネルに表示されません。サードパーティのユーザープロファイル管理ソリューションを使用している場合でも、Citrixでは、Citrix Profile Managementサービスをインストールして実行することをお勧めします。Citrix Profile Management Serviceの有効化は、必須ではありません。
MCSを使用してVMをプロビジョニングする場合は、Machine Identity Serviceを除外しないでください。
/exclude
および/includeadditional
の両方に同じコンポーネント名を指定した場合、そのコンポーネントはインストールされません。このオプションは、
VDAWorkstationCoreSetup.exe
インストーラーを使用している場合無効です。そのインストーラーは、これらの項目の多くを自動的に除外します。 -
/h または /help
コマンドのヘルプを表示します。
-
/includeadditional “component”[,”component”] …
インストールするオプションコンポーネントを1つ以上、それぞれ直線の二重引用符で囲みコンマ区切りで指定します。コンポーネント名の大文字と小文字は区別されます。
このオプションを使用すると、リモートPCアクセス展開を作成する場合に、デフォルトでは含まれないコンポーネントをインストールできます。以下の値を指定します:
- Citrix Profile Management
- Citrix Profile Management WMIプラグイン
- Citrix Personalization for App-V - VDA
- Citrix Supportability Tools
- Citrix MCS IODriver
- Citrix VDA Upgrade Agent
- Citrix Rendezvous V2
- ユーザー個人設定レイヤー
- Citrix WebSocket VDA登録ツール
/exclude
および/includeadditional
の両方に同じコンポーネント名を指定した場合、そのコンポーネントはインストールされません。 -
/installdir directory
コンポーネントのインストール先として既存の空ディレクトリを指定します。デフォルト値:c:\Program Files\Citrix
-
/install_mcsio_driver
使用しないでください。代わりに、
/includeadditional "Citrix MCS IODriver"
または/exclude "Citrix MCS IODriver"
を使用してください。 -
/logpath path
ログファイルのパスを指定します。既存のフォルダーを指定する必要があります。インストーラーによって作成されません。Default = 「%TEMP%\Citrix\XenDesktop Installer」
このオプションはグラフィカルインターフェイスでは使用できません。
-
/masterimage
仮想マシン上にVDAをインストールする場合にのみ有効です。VDAをイメージとしてセットアップします。このオプションは
/mastermcsimage
と同等です。このオプションは、
VDAWorkstationCoreSetup.exe
インストーラーを使用している場合無効です。 -
/mastermcsimage
インストールするマシンを、Machine Creation Servicesで使用するイメージに指定します。このオプションは
/masterimage
と同等です。 -
/masterpvsimage
インストールするマシンを、Citrix Provisioningまたはサードパーティのプロビジョニングツール(Microsoft System Center Configuration Managerなど)で使用するイメージに指定します。
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/no_mediafoundation_ack
MicrosoftのMedia Foundationがインストールされていなければ、複数のHDXマルチメディア機能はインストールされず、動作しないものがあることを認識します。このオプションが省略されていて、Media Foundationがインストールされていない場合、VDAインストールは失敗します。サポートされているほとんどのWindowsのエディションには、Nエディションの例外を除けば、Media Foundationが既にインストールされています。
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/nodesktopexperience
マルチセッションOS VDAをインストールする場合にのみ有効です。デスクトップエクスペリエンス拡張機能を無効にします。この機能の有効/無効は、Citrixポリシー設定の [拡張デスクトップエクスペリエンス] でも制御できます。
-
/noreboot
インストール後の再起動を無効にします。VDAは、再起動後にのみ使用できます。
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/noresume
デフォルトでは、インストール中にマシンの再起動が必要になった場合、再起動が完了すると自動的にインストーラーが再開します。デフォルトを上書きするには、
/noresume
を指定します。これは、メディアを再マウントする必要がある場合、または自動インストール中に情報をキャプチャする必要がある場合に役立ちます。 -
/portnumber port
/reconfig
オプションを指定する場合にのみ有効です。Virtual Delivery AgentとController間の通信で使用されるポート番号を変更します。変更前のポートは無効になります(ポート80を除く)。 -
/proxyconfig “アドレスまたはPACファイルパス”
コマンドに
/includeadditional "Citrix Rendezvous V2"
が含まれている場合にのみ有効です。Rendezvousプロトコルで使用するためのプロキシのアドレス、またはPACファイルパス。機能について詳しくは、「Rendezvousプロトコル」を参照してください。- プロキシアドレスの形式:
http://<url-or-ip>:<port>
- PACファイルの形式:
http://<url-or-ip>:<port>/<path>/<filename>.pac
- プロキシアドレスの形式:
-
/quietまたは/passive
ユーザーインターフェイスを表示せずにインストールを実行します。インストールおよび構成プロセスは、Windowsタスクマネージャーにのみ表示されます。このオプションを指定しない場合、インストールウィザードが表示されます。
-
/reconfigure
インストール済みのVirtual Delivery Agent設定をカスタマイズします。
/portnumber
、/controllers
、または/enable_hdx_ports
オプションと一緒に使用します。/quiet
オプションを指定しない場合は、VDAをカスタマイズするためのグラフィカルインターフェイスが開きます。 -
/remotepc
リモートPCアクセス展開(シングルセッションOS)または仲介接続(マルチセッションOS)でのみ有効です。
このオプションは、
VDAWorkstationCoreSetup.exe
インストーラーを使用している場合無効です。このインストーラーは、上記のコンポーネントのインストールを自動的に除外します。 -
/remove_appdisk_ack
AppDisks VDAプラグインがインストールされている場合、それをアンインストールする権限をVDAインストーラーに与えます。
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/remove_pvd_ack
Personal vDiskがインストールされている場合、それをアンインストールする権限をVDAインストーラーに与えます。
-
/remove
/components
オプションで指定したコンポーネントを削除します。 -
/removeall
VDAを削除します。Citrix Workspaceアプリは削除されません(インストールされている場合)。
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/sendexperiencemetrics
Citrix Insight Servicesへのインストール、アップグレード、または削除中に収集される分析が自動的に送信されます。これが省略される場合(または
/disableexperiencemetrics
が指定される場合)、分析はローカルで収集されますが、自動的には送信されません。 -
/servervdi
サポートされるWindowsサーバーにシングルセッションOS VDAをインストールします。Windowsサーバー上にマルチセッションVDAをインストールする場合は、このオプションを指定しないでください。このオプションを使用する前に、「サーバーVDI」を参照してください。
-
/site_guid guid
サイトのActive Directory組織単位(OU)のグローバル一意識別子(GUID)を指定します。Active Directory OUベースのController検出を使用する場合、GUIDにより仮想デスクトップとサイトが関連付けられます(デフォルトの検出方法である自動更新を使用することをお勧めします)。サイトGUIDは、Studioに表示されるサイトプロパティです。
/site_guid
と/controllers
の両方を指定しないでください。 -
/tempdir directory
インストール時に一時ファイルを作成するディレクトリを指定しますデフォルト値:c:\Windows\Temp
このオプションはグラフィカルインターフェイスでは使用できません。
-
/virtualmachine
仮想マシン上にVDAをインストールする場合にのみ有効です。インストーラーによる物理マシンの検出を上書きして、BIOS情報を仮想マシンに渡して物理マシンとして振る舞うようにします。
このオプションはグラフィカルインターフェイスでは使用できません。
-
/xendesktopcloud
VDAがCitrix DaaS(Citrix Cloud)展開にインストールされていることを示します。
例:VDAのインストール
-
マルチセッションOSにVDAをインストールします。次のコマンドでは、マルチセッションOSにVDAをインストールします。
VDAServerSetup.exe /quiet /controllers "Contr-East.domain.com" /enable_hdx_ports /masterimage
VDAはイメージとして使用されます。
-
マルチセッションOS VDAまたはシングルセッションOS VDAをインストールします。次のコマンドは、マルチセッションOS VDAまたはシングルセッションOS VDAをインストールします。
VDAServerSetup_XXXX.exe /quiet /controllers "ddc1.abc.com","ddc2.abc.com" /enable_hdx_ports /enable_Remote_Assistance /enable_real_time_transport /enable_ss_ports /noreboot
各Delivery Controller FQDNはコンマで区切ります。
XXXX
はVDAのバージョンを表しています。 -
Core Services VDAをシングルセッションOSにインストールします。次のコマンドは、リモートPCアクセスまたはVDI展開で使用するためにシングルセッションOSにCore Services VDAをインストールします。
VDAWorkstationCoreSetup.exe /quiet /controllers "Contr-East.domain.com" /enable_hdx_ports /noreboot
Citrix Workspaceアプリとその他の非コアサービスはインストールされません。Cloud Connectorのアドレスが指定され、Windowsファイアウォールサービスのポートが自動的に開放されます。管理者が再起動を処理します。
コマンドラインを使ったVDAのカスタマイズ
VDAをインストールした後で、いくつかの設定をカスタマイズできます。次のオプションの1つまたは複数を使用して、XenDesktopVDASetup.exe
を実行します。
-
/reconfigure
(VDAをカスタマイズする場合は必須のオプションです) -
/h
または/help
/quiet
/noreboot
/controllers
/portnumber port
/enable_hdx_ports
次の手順
-
構成プロセスの全体像については、「展開の計画と構築」を参照してください。