Citrix DaaS Standard for Azureのライセンスと使用状況の監視
この記事では、ユーザー/デバイスライセンスモデルおよび同時ユーザーライセンスモデルの両方を使用したライセンス割り当ての管理について説明します。
Citrix Azure Consumption Fund(ユーザー/デバイスのみ)
ご使用のサービス環境で使用するCitrix Azure Consumption Fundを購入した場合、Citrix管理リソースの消費レポートについて詳しくは、「Citrix DaaSのCitrix Managed Azureリソースの消費の監視」を参照してください。
ライセンス割り当て
ユーザー/デバイスライセンスモデル: Citrix Cloudでは、一意のユーザーまたはデバイスによるデスクトップの初回起動時にライセンスが割り当てられます。
同時ユーザーライセンスモデル: Citrix Cloudでは、デバイスにあるデスクトップをユーザーが起動したときにライセンスが割り当てられます。ユーザーがログオフするか、セッションから切断すると、ライセンスは割り当てられなくなります。ライセンスの割り当ては、デスクトップにアクセスするデバイスの数に応じて変わる可能性が常にあるため、Citrix Cloudは5分ごとに使用中のライセンスの数を評価します。
同時使用ライセンスモデルについて詳しくは、ライセンスサーバー製品ドキュメントの「同時使用ライセンス」を参照してください。
ピーク時のライセンス使用の計算
同時使用ライセンスモデルが正確に反映されるよう、Citrix Cloudではサービスに同時にアクセスする一意のデバイスの数が5分ごとにカウントされます。表示されている現在のピーク時使用状況よりもカウントが大きい場合、ピークに達した日時とともに新しいピーク時使用状況がCitrix Cloudに表示されます。カウントが現在のピーク使用量より少ない場合、現在のピーク使用量は変更されません。
ドメイン名の切り捨て
この機能は、ユーザー/デバイスライセンスモデルでのみサポートされています。
複数のドメインをホストし、それらのドメイン内に互いに似たアカウントを持つ複数のユーザーがいる場合(たとえば、johnsmith@company.com
とjohnsmith@mycompany.com
)、Citrix Cloudにアカウントドメインを無視させ、アカウントのユーザー名(たとえば、johnsmith)のみを考慮させるように許可することができます。このプロセスは、ドメイン名の切り捨てと呼ばれます。デフォルトでは、ドメイン名の切り捨ては無効になっています。
ドメイン名の切り捨てが有効になると、Citrix Cloudによる一意ユーザーのカウント方法が変わります。Citrix Cloudが、johnsmith@company.com
とjohnsmith@mycompany.com
を2人の一意ユーザーとしてカウントするのではなく、johnsmithのみを一意ユーザーとしてカウントするようになります。このカウント方法の変更は、次のライセンスデータに影響します。
- ライセンス割り当て
- アクティブな使用
- ライセンスの経時的な使用傾向
- 解放対象のライセンス
ライセンスデータのこれらの変更は、ライセンスコンソールのデータをエクスポートしたCSVファイルにも反映されます。
注:
ユーザー名がわずかに異なる類似のアカウントが参加している複数のドメインをホストしている場合(たとえば、参加ユーザーのアカウントが
johnsmith@company.com
とjsmith@newcompany.com
)、ドメイン名の切り捨てを行っても、Citrix Cloudのユーザーカウント結果には影響しません。johnsmithとjsmithは、同じ個人のアカウントである場合でも、Citrix Cloudではそれぞれ一意ユーザーとして引き続きカウントされます。
ドメイン名の切り捨てを有効または無効にする
デフォルトでは、ドメイン名の切り捨ては無効になっています。ドメイン名の切り捨ては、この機能を有効または無効にした瞬間から、ユーザー/デバイス利用状況データに影響します。たとえば、特定の月にドメイン名の切り捨てを有効にすると、その月にCitrix Cloudが記録するデータが影響を受けます。ただし、この機能が無効になっていた前月の履歴データは以前のまま影響を受けません。同様に、特定の月にドメイン名の切り捨てを無効にすると、その月にCitrix Cloudが記録するデータが影響を受けます。ただし、この機能が有効になっていた月の履歴データはそのまま残ります。
ドメイン名の切り捨てを有効または無効にするには:
-
ライセンスコンソールの右上近くにあるトグルをクリックします。
-
アクションの確認を求められたら、[はい。了承しています]を選択します。
ライセンスの概要
Citrix Cloudは、ユーザー/デバイスライセンスモデルおよび同時ユーザーライセンスモデルで使用中のライセンスの概要ビューを表示します。
ユーザーとデバイスの概要
ユーザー/デバイスモデルの場合、ライセンスの概要では、所有しているライセンスの総数に対する使用中のライセンス数が表示されます。
割合が100%に近づくにつれて、表示は緑色から黄色に変わります。割合が100%を超えると、表示が赤になります。
Citrix Cloudは、購入したライセンスに対する割り当てられたライセンスの比率、および使用可能なライセンスの残りの数も表示します。
同時ユーザーの概要
同時使用モデルの場合、ライセンスの概要で次の情報が一目でわかります:
-
Citrix Cloudが使用中のライセンスを最後に評価したときに使用中だった購入済みライセンスの合計の割合。Citrix Cloudは、サービスへのアクティブな接続を持つ一意のデバイスに基づいて、5分ごとにこの割合を計算します。購入したライセンスの総数は、同時使用ライセンスモデルを使用するCitrix DaaS Standard for Azureのために購入したライセンスの合計です。
- 購入したライセンスの合計に対する現在割り当てられているライセンスの比率、および使用可能なライセンスの残りの数。この比率に示す [合計] の数値は、現在所有しているライセンスの合計数を表します([最新レポレート]の日時の時点での内容)。
- ピーク時使用状況の統計。ピーク時のライセンス使用を計算する場合、Citrix Cloudは、次の期間に使用されたライセンスの最大数を取得します:
- 過去24時間: 過去24時間で同時使用されたライセンスの最大数。
- 今月: 現在の暦月に入ってから同時使用されたライセンスの最大数。
- 常時: サブスクリプションが開始してから同時使用されたライセンスの最大数。
これらのピーク時使用状況期間に示される [合計] の数値は、その時点で所有していたライセンスの総数を表します。所有ライセンスの合計数が増加または減少し、それに伴って割り当てられたライセンスが増加した場合、[合計] の数値は、その時点における所有ライセンスの新しい数を反映して変更されます。ただし、対応する使用量のピークがない場合、[合計]の数値は変化しません。
使用状況の傾向
Citrix Cloudは、ユーザー/デバイスライセンスまたは同時ユーザーライセンスのいずれかの使用状況の傾向の内訳を表示します。この内訳を表示するには、ライセンスの概要ページから [使用状況の詳細の表示] を選択します。
ユーザーとデバイスの傾向
ユーザー/デバイスライセンスの場合、[使用状況の傾向] セクションには、割り当てられたライセンスの内訳がグラフとして表示されます。
グラフ上の間隔をポイントすると、次の情報が表示されます:
- ライセンス合計: 合計したクラウドサービス使用権のために購入済みのライセンス合計数。
- 以前に割り当て済み: 先月割り当てられたライセンスの数。たとえば、7月にクラウドサービスに初めてアクセスするユーザーにライセンスが割り当てられたとします。このライセンスは、7月に[新しく割り当て済み]としてカウントされます。8月には、「以前に割り当て済み」としてカウントされます。
- 新しく割り当て済み: 各月に割り当てられた新しいライセンスの数。たとえば、7月にクラウドサービスに初めてアクセスするユーザーにライセンスが割り当てられたとします。このライセンスは、7月に[新しく割り当て済み]としてカウントされます。
ドメインの切り捨てを有効にした期間にはアスタリスクが付いています。
ドメインの切り捨てを有効にした期間にはアスタリスクが付いています。
同時ユーザーの傾向
同時ユーザーライセンスの場合、[使用状況の傾向] セクションに次の情報が表示されます:
- [ライセンス数合計]: 購入した同時ライセンスの合計。
-
[ピーク時のライセンス使用]: 選択した日付範囲に割り当てられたライセンスの最大数。デフォルトでは、Citrix Cloudは現在の暦年の各月のピーク使用量を表示します。月間または時間ごとのピーク使用量を確認するには、表示する暦月または暦日をドロップダウンメニューから選択します。
選択した日付範囲がまだ終了していない場合、Citrix Cloudにはその時点において最新の時間間隔のピーク使用量が表示されます。たとえば、現在進行中の暦日を確認する場合、その瞬間までの1時間ごとの最大ライセンス数が表示されます。次の5分のカウント間隔でライセンスの最大数が増えると、Citrix Cloudではその1時間のピーク使用量が更新されます。
グラフの間隔をポイントすると、その間隔での合計ライセンス数とピーク時のライセンス使用が表示されます。
ユーザーとデバイスのライセンスアクティビティ
ユーザー/デバイスライセンスの場合、[ライセンスアクティビティ] セクションでは、ライセンスを割り当てた個々のユーザーの一覧とユーザーにライセンスが割り当てられた日付が表示されます。このセクションは同時ライセンスでは利用できません。
一覧をフィルタリングして、解放対象のライセンスのみを表示することもできます。本記事の「割り当て済みライセンスを解放する」を参照してください。
ユーザー/デバイスライセンスの解放
対象となるユーザー/デバイスライセンスの解放は、サービスサブスクリプションの種類によって異なります。
-
年単位サービスサブスクリプション: 年単位サブスクリプションがある場合は、過去30日間にアプリまたはデスクトップを起動していないユーザーのライセンスを解放できます。ライセンスは複数を一括で解放するか、個別に解放できます。
-
月単位サービスサブスクリプション: 月単位サブスクリプションがある場合は、非アクティブ期間に関係なく、各月の1日にライセンスを解放できます。
ライセンスが割り当てられる場合、割り当て期間はサービスへの接続が確立されてから90日間です。ユーザーまたはデバイスが90日間アプリまたはデスクトップを起動していない場合、これらのライセンスは未使用のライセンスとみなされ、90日後にCitrix Cloudによって解放されます。このプロセスは自動化されており、管理者による操作は必要ありません。
割り当て期間(90日)が経過した場合、管理者は次のシナリオでのみライセンスを手動で解放できます:
- 会社への関連付けがなくなったユーザー。
- 長期休暇中のユーザー。
管理者は、デバイスが故障した場合のみ、デバイスのライセンスを解放できます。
注:
ライセンスを解放するには、自動プロセスに従うことをお勧めします。ただし管理者が、90日の期間が経過する前に、上記の理由ではなくライセンスを解放しようとする場合、Citrix EULAに違反する可能性があります。 この操作を実行する前に、Citrixにお問い合わせください。
管理者は、UIを使用して1つのライセンスを手動で解放できます。または、クラウドライセンスAPIを使用して、複数ライセンスを解放することを選択できます。詳しくは、「APIs to manage Citrix cloud licensing」を参照してください。
解放可能ライセンスの表示
ユーザーまたはデバイスが30日以上アプリまたはデスクトップを起動していない場合、Citrix Cloudはライセンスを解放可能な状態にします。解放可能ライセンスは、選択できる濃い灰色のチェックボックスとともに[ライセンス使用ユーザー]または[ライセンス使用デバイス]リストに表示されます。解放できないライセンスには、ライセンスを選択できないことを示す薄い灰色のチェックボックスが表示されます。
[ライセンスアクティビティ] セクションに表示される一覧には、一度に最大100個の割り当て済みライセンスが表示されます。100個を超えるライセンスがある場合は、ページコントロールで一覧を移動します。
解放可能ライセンスをすばやく見つけるには、[ライセンスを解放] ボタンの横にある [解放可能ライセンスのみを表示] を選択します。この操作により、まだ解放対象ではない割り当て済みライセンスが非表示になります。
解放可能ライセンスの選択
各ライセンスの横にある濃い灰色のチェックボックスを選択して、解放するライセンスを選択します。一覧からライセンスを選択すると、[ライセンスを解放] がアクティブになります。
解放可能なライセンスをすべて1つずつ選択し、[ライセンスの解放] を選択できます。
割り当て済みライセンスを解放する
- 必要に応じて、[解放可能ライセンスを表示] を選択して、解放可能ライセンスを持つユーザーのみを表示します。
- 管理するユーザーを選択してから、[ライセンスを解放] を選択します。
- 選択したユーザーを確認してから、[ライセンスを解放] を選択します。
同時ユーザーライセンスの解放
同時ユーザーライセンスは、ユーザーがサインアウトするか、セッションから切断すると自動的に解放されます。これらのライセンスを手動で解放する必要はありません。