ライセンスの種類
Citrix製品では、以下のいずれかの種類のライセンスが使用されます(一部の製品では複数の種類のライセンスを選択できます)。ライセンスが不足しないようにするには、会社が購入したライセンスの種類とそれらの使用方法を確認してください。また、ライセンスファイルの機能としてライセンスの超過使用保護も提供しています。この記事の最後にあるライセンスの超過使用保護の説明を参照してください。
ライセンスの種類は以下のとおりです:
ユーザー/デバイスライセンス
XenDesktop 5 Service Pack 1以降、XenApp 6.5以降、Citrix Virtual Apps and Desktops 7 1808以降:ユーザーまたはデバイスにライセンスを割り当て、ライセンスの使用状況を監視できます。ライセンスをユーザーに割り当てると、そのユーザーは複数のデバイスからアクセスできるようになります。ライセンスをデバイスに割り当てると、そのデバイスから複数のユーザーがアクセスできるようになります。
ライセンスが割り当てられたデバイスは一意のデバイスIDを必要とし、任意のユーザーがCitrix Virtual Desktopsインスタンスにアクセスできます。学校や病院などの共有デバイスでは、この種類のライセンスを使用します。
ライセンスが割り当てられたユーザーは、Active Directoryエントリなど一意のユーザーIDを必要とします。ライセンスが割り当てられたユーザーは、複数のデバイスを使ってデスクトップやアプリケーションに接続できます。たとえば、デスクトップコンピューター、ノートブックコンピューター、ネットブック、スマートフォン、またはシンクライアントなどのデバイスです。この場合、1人のユーザーがCitrix Virtual Desktopsの複数のインスタンスに同時に接続することができます。
ユーザーまたはデバイスがアプリケーションまたはデスクトップに接続すると、ライセンスが1つ消費され、90日間割り当てられます。割り当て期間は、接続したときから開始します。この期間は、接続されている間90日満期で更新されます。有効期限切れ(再割り当ての許可)は、最後の接続が終了(ログオフまたは切断)してから、90日後です。90日の期限前に手動でライセンスの割り当てを終了する場合は、udadmin
コマンドラインツールを使用します。これは、ライセンスを使用している従業員が退職した場合などです。
最適化
ライセンスサーバーの最適化処理により、使用中のライセンスおよびライセンスサーバーへの接続に基づいてライセンス消費を最小化する方法が決定されます。この最適化は5秒間隔で実行され、個別の接続数が5000になるまで継続されます。個別の接続数が5000になると、最適化は5分ごとになります。このため、管理コンソールに表示されるライセンス使用量が更新されるまでに時間がかかる場合があります。
個別の接続数の例 - 最適化は、以下のように算出されます。
個別の接続数が1~4999の場合は5秒ごとに、5000以上の場合は5分ごとに最適化が行われます。
700ユーザー×1デバイス=700(5秒間隔で最適化)
5000ユーザー×1デバイス=5000(5分間隔で最適化)
5000デバイス×各1ユーザー=5000(5分間隔で最適化)
2500ユーザー×2デバイス=5000(5分間隔で最適化)
注:
大規模な展開環境では、個別の接続数によっては、最適化によりCPUに負荷がかかることがあります。マルチコアのマシンの使用をお勧めします。
同時使用ライセンス
この種類のライセンスは、特定のユーザーやドメインに関連付けられません。ユーザーが製品を起動すると、製品がライセンスを要求します。ライセンスは、そのユーザーが使用している特定のコンピューターまたはデバイスにチェックアウトされます。ユーザーがセッションからログオフまたは切断するとライセンスがチェックインされ、ほかのユーザーが使用できるようになります。この種類のライセンスを使用する場合は、以下の事項を理解しておいてください:
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異なるコンピューターから複数のセッションを起動すると、複数のライセンスが使用されます。ユーザーがCitrixセッションを異なるコンピューターまたはデバイスから起動するたびに、ライセンスがチェックアウトされたままになります。そのユーザーが各コンピューターやデバイスでセッションを閉じると、ライセンスがチェックインされます。たとえば、ユーザーがあるコンピューターからセッションを起動し、別のコンピューターからもう1つのセッションを起動する場合は、最初のセッションを閉じるまでは、2つのライセンスがチェックアウトされます。
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ライセンスサーバー間で通信することはありません。複数のライセンスサーバーを実行している場合、複数のライセンスを使用していることがあります(負荷分散などの場合)。負荷分散を使用している場合は、同じ製品が動作するサーバーは同じライセンスサーバーを参照するように設定することをお勧めします。
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異なるエディションでは異なるライセンスが消費されます。ユーザーがAdvanced Editionで公開されているアプリケーションに接続して、同じクライアントコンピューターからPremium Editionで公開されているアプリケーションに接続した場合、2つのライセンスが消費されます。
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同一エディションおよび同一ライセンスサーバーが構成された複数の製品サーバーに単一デバイスから別個に接続します。1つのライセンスのみが消費されます。
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ライセンス共有の場合、Citrix Virtual Apps and Desktopsのパススルー接続がエンドポイントクライアントのデバイスIDを製品サーバーに渡します。共有ライセンスサーバーを使用して単一の製品、エディション、ライセンスモデルに接続する場合、すべての接続で単一のライセンスが共有されます。
- ユーザーは、単一のデバイスから同じエディションの違うバージョンの2つの製品サーバーに接続します。接続の順番によって、1つまたは2つのライセンスが消費されます。たとえば、Citrix Virtual Apps and Desktops 7 1811とCitrix Virtual Apps and Desktops 7 1903の2つが動作する環境を例に説明します(ほかのCitrix製品およびバージョンにも適用されます):
- ユーザーが先にCitrix Virtual Apps and Desktops 7 1811に接続した場合 - 2つのライセンスが消費される可能性があります - バージョン1903はカスタマーサクセスサービスの新しい日付を必要とするため、古い製品の古いライセンスが先に消費されてから、新しいライセンスが消費されます。
- ユーザーが先にCitrix Virtual Apps and Desktops 7 1903に接続した場合 - バージョン1903で必要なカスタマーサクセスサービスの日付は、古い製品バージョンのすべてと互換性があるため、ライセンスは1つだけ消費されます。
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RDP接続によりライセンスが消費されます。ただし、コンソールセッションに接続する場合は消費されません。
- 購入済みで使用可能なスタンドアロンの同時使用ライセンスの数を超えると、追加猶予期間がない限り超過したすべてのユーザーがアクセスを拒否されます。詳しくは、「追加猶予期間」を参照してください。
単一ユーザーライセンス(ユーザーライセンスのみ - ユーザー/デバイスライセンスとは異なります)
ライセンスが割り当てられたユーザーは、Active Directoryエントリなど一意のユーザーIDを必要とします。ライセンスが割り当てられたユーザーは、複数のデバイスを使ってデスクトップやアプリケーションに接続できます。たとえば、デスクトップコンピューター、ノートブックコンピューター、ネットブック、スマートフォン、またはシンクライアントなどのデバイスです。この場合、1人のユーザーがCitrix Virtual Desktopsの複数のインスタンスに同時に接続することができます。この場合、1人のユーザーがCitrix製品の複数のインスタンスに同時に接続することができます。ユーザーがアプリケーションまたはデスクトップに接続すると、ライセンスが1つ消費され、90日間割り当てられます。割り当て期間は、接続したときから開始します。この期間は、接続されている間90日満期で更新されます。有効期限切れ(再割り当ての許可)は、最後の接続が終了(ログオフまたは切断)してから、90日後です。90日の期限前に手動でライセンスの割り当てを終了する場合は、udadmin
コマンドラインツールを使用します。これは、ライセンスを使用している従業員が退職した場合などです。
単一デバイスライセンス(デバイスライセンスのみ - ユーザー/デバイスライセンスとは異なります)
ライセンスが割り当てられたデバイスは一意のデバイスIDを必要とし、任意のユーザーが製品インスタンスにアクセスできます。学校や病院などの共有デバイスでは、この種類のライセンスを使用します。そのデバイスからのアクセスが許可されるユーザー数に制限はありません。デバイスがアプリケーションまたはデスクトップに接続すると、ライセンスが1つ消費され、90日間割り当てられます。割り当て期間は、接続したときから開始します。この期間は、接続されている間90日満期で更新されます。有効期限切れ(再割り当ての許可)は、最後の接続が終了(ログオフまたは切断)してから、90日後です。90日の期限前に手動でライセンスの割り当てを終了する場合は、udadmin
コマンドラインツールを使用します。これは、ライセンスを使用している従業員が退職した場合などです。
単一ソケットライセンス
CPUが装着されているソケットに割り当てられるライセンスで、CPUのコア数は考慮されません。たとえば、コンピューターにCPUソケットが2つあっても、CPUが1つしかない場合、使用されるライセンスは1つのみです。また、このコンピューターにクアッドコアCPUが2つある場合でも、消費されるライセンスは2つのみです。
指定ユーザーライセンス
製品がライセンスを要求すると、事前設定された期間中、ライセンスがユーザーにチェックアウトされます。この種類のチェックアウトはコンピューターまたはデバイスに関連付けられません。ライセンスがチェックアウトされると、追加のライセンスをチェックアウトしなくても、ユーザーは複数のセッションを複数の異なるコンピューターで実行できます。
追加猶予期間
注:
猶予期間と追加猶予期間は、2つの異なる機能です。猶予期間について詳しくは、「猶予期間」を参照してください。
追加猶予期間は、XenApp 7.6およびXenDesktop 7.6以降でサポートされます。
超過使用保護分(該当する場合)も含めたすべてのライセンスが使用されると、追加猶予期間で無制限のアクセスが許可されます。追加猶予期間中に、ユーザーの作業を中断させることなく最大ライセンス数を超過した原因を調査し、さらにライセンスを購入するかを検討することができます。追加猶予期間は、15日経過するまで、または他の製品版ライセンスを追加するまで継続します。どちらか一方が発生した時点で終了します。
追加猶予期間が開始したら、警告状態を取り消すためにライセンスを即座に追加するのではなく猶予期間を利用することをお勧めします。この期間中に現状を総合的に判断し、問題に適切に対応できます。
追加有効期間が終了したら、通常の接続制限が適用されます。ユーザーが強制的に切断されることはありません。ユーザー側で切断した場合、ライセンスレベルが通常の状態に戻るまで新しい接続は拒否されます。
終了した追加猶予期間が自動的に再度有効になることはありません。別の製品版ライセンスをインストールして追加有効期間を再度有効化した場合、次に使用ライセンス数が超過したときに再び15日の追加猶予期間が開始します。
注:
追加猶予期間中にライセンスをインストールすると、ライセンスサーバーが追加猶予期間を終了します。追加猶予期間の理由と必要なライセンス数を最終的に決定する前に追加猶予期間を再度有効化すると、別ライセンスのインストール後に追加猶予期間が再度発生する可能性があります。
追加猶予期間は、製品のバージョンおよびエディションに応じて付与され、対象は製品版ライセンスのみです。 最初にライセンスをインストールするとき、追加猶予期間は、デフォルトで有効になっています。コンプライアンス上の理由で追加猶予期間を無効にするには、Citrix Licensing Managerを使用します。
追加猶予期間中に消費されたライセンスの合計数を追跡する方法はありません。
Citrix Virtual Apps and DesktopsのDirectorは猶予期間の状態を表示します。詳しくは、「Directorのダッシュボードのパネル」を参照してください。
追加猶予期間の例
インストール済みのライセンス数が上限の1000個に達している状態で、新たに接続を実行すると(最大数+1)、追加猶予期間が開始します。15日の期間が一時的に付与され、予期せぬ容量の問題に対応するための容量が追加されます。場合によっては、追加のライセンス購入が必要になることもあります。
重要:
追加猶予期間とライセンスの超過使用保護は、2つの異なる機能です。追加猶予期間は、製品とライセンスサーバーの機能です。ライセンスの超過保護は、ライセンスの機能であり、同時使用ライセンスには適用されません。
ライセンスの超過使用保護
ユーザー/デバイス、ユーザー、またはデバイスのライセンスモデルをサポートする製品(Citrix Cloudを除く)には、アクセス拒否を防止するために制限された数の追加ライセンスを使用できるライセンスの超過使用保護機能が含まれています。超過使用保護機能は、ライセンス使用権には関係なく便宜上提供されています。同時使用ライセンスおよびサーバーライセンスには、超過使用保護は含まれません。使用する超過使用保護ライセンスは、最初の使用から30日以内に購入する必要がありますが、使用は30日に限定されません。Citrixは、本製品の新規リリースで超過使用保護機能を削除する権利を留保します。
例: ユーザーおよびデバイスライセンスを1000個購入し、10%の超過使用保護を取得します。1001~1100の接続は、超過使用保護ライセンスを使用して可能です。1000を超えてから使用したライセンスは、初回使用から30日以内に購入する必要があります。追加猶予期間がサポートされておらず有効になっていない場合、ユーザーがアクセスできるのは、使用可能なライセンスがなくなるまでです。
追加猶予期間については、「追加猶予期間」を参照してください。