構成と管理
このトピックでは、Personal vDisk(PvD)環境を構成したり管理したりするときに考慮すべき内容について説明します。また、推奨される構成やタスクについても説明します。
Windowsレジストリの編集が必要な操作を行う場合の注意事項。
注意:レジストリエディターの使用を誤ると、深刻な問題が発生する可能性があり、Windowsの再インストールが必要になる場合もあります。レジストリエディターの誤用による障害に対して、シトリックスでは一切責任を負いません。レジストリエディターは、お客様の責任と判断の範囲でご使用ください。また、レジストリファイルのバックアップを作成してから、レジストリを編集してください。
考慮事項:Personal vDiskのサイズ
メインのPersonal vDiskのサイズを決定するときは、以下の要因について考慮します。
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ユーザーがPersonal vDisk上にインストールするアプリケーションのサイズ
Personal vDiskでは、再起動時にアプリケーション領域(UserData.v2.vhd)の空き容量が確認されます。空き容量が全体の10%未満になると、未使用のプロファイル領域(デフォルトではPドライブの使用可能領域)を使ってアプリケーション領域が拡張されます。このときアプリケーション領域に追加されるスペースは、アプリケーション領域とプロファイル領域で使用可能な合計空き容量の約50%です。
たとえば、10GBのPersonal vDisk上のアプリケーション領域が5GBでプロファイル領域の空き容量が3GBの場合、アプリケーション領域の4.7GBが消費されたときに自動的に追加されるスペースは以下の式で算出されます。
追加されるスペース=(5.0-4.7)÷2+3.0÷2=1.65GB
アプリケーション領域に追加されるスペースのサイズは概算値です。これは、ログやオーバーヘッド用にわずかな余分スペースが追加されるためです。この計算およびサイズ調整は、各再起動時に行われます。
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ユーザープロファイルのサイズ(ほかのプロファイル管理ツールを使用しない場合)
アプリケーションに必要な容量に加えて、ユーザープロファイルの格納に十分な容量がPersonal vDisk上にあることを確認してください。また、リダイレクトされないユーザーフォルダー(マイドキュメントやマイミュージックなど)の容量についても考慮する必要があります。既存のプロファイルのサイズを確認するには、コントロールパネルから[システムのプロパティ](sysdm.cpl)を開きます。
プロファイルをリダイレクトする一部のツールを使用すると、実際のプロファイルデータの代わりにスタブファイル(センチネルファイル)が格納されます。これらのプロファイル管理ツールでは初期状態でディスクが消費されていないように見えますが、各スタブファイルについて1ファイルディレクトリエントリがファイルシステム上に作成されます(通常、各ファイルについて4KB程度)。このようなプロファイル管理ツールを使用する場合は、スタブファイルではなく実際のプロファイルデータのサイズを考慮する必要があります。
エンタープライズクラスのファイル共有アプリケーション(ShareFile、Dropboxなど)により、Personal vDisk上のユーザープロファイル領域がデータの同期に使用される場合があります。このようなアプリケーションを使用する場合は、同期データのサイズも考慮する必要があります。
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Personal vDiskインベントリを含んでいるテンプレートVHDで使用される容量
テンプレートVHDには、Personal vDiskインベントリデータ(マスターイメージの内容に対応するセンチネルファイル)が含まれています。Personal vDiskのアプリケーション領域はこのVHDから作成されます。各センチネルファイルやフォルダーによりファイルディレクトリエントリが構成されるため、ユーザーがアプリケーションをインストールしていなくてもPersonal vDiskのアプリケーション領域がテンプレートVHDの内容により消費されます。テンプレートVHDのサイズは、インベントリを実行した後でマスターイメージを参照すると確認できます。または、以下の式でおおよそのサイズを算出できます。
テンプレートVHDのサイズ=マスターイメージ上のファイル数×4KB
マスターイメージ上のファイルおよびフォルダーの数を確認するには、そのイメージのCドライブを右クリックして[プロパティ]を選択します。たとえば、イメージに250,000個のファイルがある場合、テンプレートVHDのサイズはおよそ1,024,000,000バイト(ちょうど1GB)になります。つまり、Personal vDiskのアプリケーション領域のうち1GB弱のディスクスペースには、アプリケーションをインストールできません。
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Personal vDiskイメージの更新時に使用される容量
Personal vDiskイメージを更新するときには、イメージの2つのバージョンの差分やユーザーによるPersonal vDiskの変更内容を統合するために十分な空き領域が、Personal vDisk(デフォルトでPドライブ)のルートに必要になります。通常、Personal vDiskの200~300MBがこの目的で予約されます。ただし、Pドライブに追加されるデータの量によっては、イメージの更新に必要な容量を確保できなくなることがあります。Personal vDiskプール統計スクリプト(Citrix Virtual Apps and DesktopsインストールメディアのSupport/Tools/Scriptsフォルダー)、またはPersonal vDiskイメージ更新監視ツール(Support/Tools/Scripts\PvdToolフォルダー)を使用して、更新対象のカタログから空き領域が少ないPersonal vDiskディスクを特定できます。
アンチウイルス製品をインストールすると、インベントリや更新に時間がかかる場合があります。CtxPvD.exeおよびCtxPvDSvc.exeをアンチウイルス製品の除外の一覧に追加すると、パフォーマンスを向上させることができます。これらのファイルは、C:\Program Files\Citrix\personal vDisk\binにあります。ウイルスチェックの対象からこれらの実行可能ファイルを除外すると、インベントリおよびイメージ更新の処理パフォーマンスが最大で10倍に向上することがあります。
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予定外の追加容量(計画外のアプリケーションのインストールなど)
ユーザーが追加のアプリケーションをインストールできるように、(特定サイズまたは全体に対する割合で)追加領域を加算することを検討してください。
方法:Personal vDiskのサイズおよび割り当ての構成
管理者は、Pドライブに対するVHDの相対的なサイズを決定するときの自動サイズ変更アルゴリズムを手動で調整できます。これを行うには、VHDの初期サイズを設定します。たとえば、ユーザーがインストールするアプリケーションの数が多いために、デフォルトのアルゴリズムで決定されるサイズでは足りなくなることがわかっている場合などには、この機能が役に立ちます。この場合、アプリケーションをインストールするための領域が足りなくならないように、アプリケーション領域の初期サイズを増やします。
可能な場合は、マスターイメージ上でVHDの初期サイズを調整します。または、仮想デスクトップ上でVHDのサイズを調整して、ユーザーのアプリケーションのインストールに必要な領域を確保することもできます。ただし、この方法では各仮想デスクトップ上で個別に調整する必要があります。作成済みのマシンカタログでVHDの初期サイズを調整することはできません。
VHDには、アンチウイルス定義ファイルを保存するのに十分なサイズを設定してください。通常、アンチウイルス定義ファイルのサイズは小さくありません。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Citrix\personal vDisk\Configで、以下のレジストリキーを設定します。これ以外のレジストリキーは変更しないでください。MinimumVHDSizeInMBを除き、すべての値はマスターイメージ上で設定します(MinimumVHDSizeInMBはマシン単位で変更できます)。マスターイメージ上で設定された値は、次回イメージ更新時に適用されます。
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MinimumVHDSizeMB
Personal vDiskのアプリケーション領域(Cドライブ)の最小サイズをMB単位で指定します。新しいサイズは、既存のサイズよりも大きなものにする必要がありますが、ディスクのサイズからPvDReservedSpaceMBの値を差し引いたたものよりも小さくする必要があります。
この値を大きくすると、Personal vDisk上のプロファイル領域からCドライブに空き領域が割り当てられます。この設定は、Cドライブの現在の使用サイズよりも小さい値を指定したり、EnableDynamicResizeOfAppContainerに0を設定したりすると無視されます。
デフォルト値:2048
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EnableDynamicResizeOfAppContainer
動的サイズ変更アルゴリズムを有効または無効にします。
- 1を設定すると、アプリケーション領域(Cドライブ上)の空き容量が10%未満になったときにその領域のサイズが自動的に調整されます。1または0を設定できます。変更後、仮想マシンの再起動が必要です。
- 0を設定すると、XenDesktop 7.x以前で使用されていた方法でVHDのサイズが決定されます。
デフォルト値=1
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EnableUserProfileRedirection
ユーザープロファイルのPersonal vDiskへのリダイレクトを有効または無効にします。
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1を設定すると、ユーザーのプロファイルがPersonal vDiskドライブ(デフォルトでPドライブ)にリダイレクトされます。通常、各プロファイルは、P:\Usersフォルダーの、標準Windowsプロファイルに対応するサブフォルダーにリダイレクトされます。これにより、ユーザーのデスクトップのリセットが必要になった場合でもプロファイルが保持されます。
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0を設定すると、Personal vDisk上のPvDReservedSpaceMBのサイズを差し引いた全領域がCドライブ(Personal vDiskのアプリケーション領域)に割り当てられ、Personal vDiskドライブ(Pドライブ)はWindowsエクスプローラーに表示されなくなります。Citrix Profile Managementやほかの移動プロファイル管理ツールを使用する場合は、この値に0を設定してプロファイルのリダイレクトを無効にすることをお勧めします。
この設定により、プロファイルはPersonal vDiskにリダイレクトされずにC:\Users内に保持されます。このため、Profile Managementなどの移動プロファイル管理ツールでプロファイルを管理できるようになります。
この設定により、Pドライブの領域がすべてアプリケーションに割り当てられます。
移動プロファイル管理ツールを使用する環境でのみ0を設定してください。移動プロファイル管理ツールを使用しない環境でこのレジストリ設定を使用すると、Personal vDiskをリセットしたときにプロファイルが削除されてしまいます。
この設定は、イメージの更新時には変更しないでください。イメージ更新時に設定値を1から0に変更すると既存のプロファイルが移動されないままPersonal vDiskの全領域がCドライブに割り当てられ、Personal vDiskが非表示になってしまいます。
この値は、マシンカタログを展開する前に設定してください。マシンカタログを展開した後で値を変更することはできません。
重要: XenDesktop 7.1以降では、イメージの更新時にこの値の変更が適用されなくなっています。このレジストリキーは、プロファイルの元になるカタログを最初に作成するときに設定してください。この設定を後で変更することはできません。
デフォルト値=1
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PercentOfPvDForApps
Personal vDiskのアプリケーション領域(Cドライブ)とプロファイル領域との割合を指定します。この値は新しい仮想マシンの作成時に適用され、またEnableDynamicResizeOfAppContainerが0の場合はイメージの更新時にも適用されます。
PercentOfPvDForApps設定に対する変更を適用するには、EnableDynamicResizeOfAppContainerを0に設定する必要があります。EnableDynamicResizeOfAppContainerは、デフォルトで1(有効)に設定されています。このため、アプリケーション領域(AppContainer。表示上はCドライブ)は空き領域が10%未満になった時点で動的に拡張されます。
PercentOfPvDForAppsの値を増やしても、AppContainerの拡張が許可される最大領域が増えるだけです。設定した値がすぐに適用されるわけではありません。また、この割り当て比率の設定はマスターイメージ内で構成する必要があります。これにより、次回イメージ更新時に設定が反映されます。
EnableDynamicResizeOfAppContainerを1に設定したままマシンカタログを生成した場合は、マスターイメージ内でこの値を0に変更して、適切な割り当て比率を構成してください。構成する割り当て比率は、Cドライブの現在の割り当てサイズよりも大きな値である必要があります。
この値を0に設定すると、管理者が割り当て比率を完全に制御できます。つまり、ユーザーが消費する領域サイズにかかわらずCドライブのサイズを完全に制御でき、動的なサイズ調整は行われません。
デフォルト値:50%(2つの領域に同じサイズが割り当てられます)
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PvDReservedSpaceMB
Personal vDiskログおよびほかのデータ用に予約されるPersonal vDisk上の領域をMB単位で指定します。
XenApp 6.5(またはそれ以前のバージョン)が動作する環境でアプリケーションのストリーム配信機能を使用する場合は、Rade Cacheのサイズに応じてこの値を増やしてください。
デフォルト値=512
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PvDResetUserGroup
Citrix XenDesktop 5.6にのみ適用され、Personal vDiskのリセットを許可するユーザーのグループを指定します。これ以降のバージョンでは、この指定は委任管理により行われます。
そのほかの設定:
- Windows Updateサービス: マスターイメージでは、Windowsを[更新プログラムを確認しない]に構成し、Windows Updateサービスを[無効]に設定します。また、WindowsストアとMetro Appのアップデートと機能を無効にすることをお勧めします。
- Windowsの更新プログラム: Internet Explorerを含むWindowsの更新プログラムをマスターイメージに適用しておきます。
- 再起動が必要な更新プログラム: Windowsの更新プログラムの中には、インストールを完了するために何回かの再起動が必要になるものがあります。Personal vDiskインベントリを収集する前に、マスターイメージを正しく再起動して、適用した更新プログラムが完全にインストールされたことを確認してください。
- アプリケーションの更新プログラム: マスターイメージ上のアプリケーションに必要な更新プログラムを適用しておくと、ユーザーのvDiskに必要なディスク領域を節約できます。また、各ユーザーのvDisk上のアプリケーションを個別に更新する手間も省けます。
考慮事項:マスターイメージ上のアプリケーション
一部のアプリケーションでは、Personal vDiskによるユーザー環境で問題が発生する場合があります。このような問題を避けるには、管理者がそれらのアプリケーションを個々のマシン上ではなくマスターイメージ上にインストールする必要があります。さらに、Personal vDisk環境で正しく動作する場合でも、特定の種類のアプリケーションについてはマスターイメージ上にインストールすることをお勧めします。
マスターイメージ上へのインストールが必須のアプリケーション:
- エージェントおよびクライアントソフトウェア(System Center Configuration Managerエージェント、App-V Client、Citrix Workspaceアプリなど)
- 早期起動ドライバーをインストールまたは変更するアプリケーション
- プリンターやスキャナーのソフトウェアやドライバーをインストールするアプリケーション
- Windowsネットワークスタックを変更するアプリケーション
- VMware ToolsやXenServer Toolsなどの仮想マシンツール
マスターイメージ上へのインストールが推奨されるアプリケーション
- 多くのユーザーに配信するアプリケーション。以下のアプリケーションは、更新機能を無効にしてから配信します。
- ボリュームライセンスを使用する、Microsoft OfficeやMicrosoft SQL Serverなどのエンタープライズアプリケーション。
- Adobe Reader、Firefox、Chromeなど、ユーザーに共通のアプリケーション。
- SQL Server、Visual Studio、アプリケーションフレームワーク(.NETなど)などのサイズの大きなアプリケーション。
Personal vDiskのマシンにユーザーがインストールするアプリケーションについて、以下の推奨事項および制限事項があります。ただし、管理者権限を持つユーザーに対しては、一部の項目を強制できない場合があります。
- ユーザーがマスターイメージからアプリケーションをアンインストールして、そのアプリケーションを自分のPersonal vDisk上にインストールすることは避けてください。
- 管理者がマスターイメージのイメージ上のアプリケーションを更新したりアンインストールしたりするときは、十分に注意してください。管理者がマスターイメージ上にアプリケーションをインストールした後で、そのアプリケーションバージョン用のアドオンソフトウェア(プラグインソフトウェアなど)をユーザーがインストールしている場合があります。このような依存関係が存在する場合、そのイメージ上のアプリケーションを更新したりアンインストールしたりすると、ユーザーのアドオンソフトウェアが正しく動作しなくなることがあります。たとえば、マスターイメージ上にインストールされているMicrosoft Office 2010に対応するVisio 2010をユーザーが自分のPersonal vDisk上にインストールした場合、マスターイメージ上のOfficeを更新するとローカルのVisioが動作しなくなることがあります。
- ハードウェア依存のライセンスを使用するソフトウェア(ドングルを使用したり署名ベースのハードウェアを使用したりするもの)はサポートされません。
考慮事項:Citrix Provisioning
Citrix ProvisioningとPersonal vDiskを併用する場合、以下の点を考慮してください:
- Studioの[管理者]ノードで、Soap Serviceアカウントを追加してマシン管理者以上の役割を割り当てます。これにより、Citrix ProvisioningのvDiskを実稼働段階に昇格するときにPersonal vDiskデスクトップが準備中の状態になります。
- Personal vDiskを更新するには、Citrix Provisioningのバージョン機能を使用する必要があります。更新したバージョンが実稼働段階に昇格するときに、Soap ServiceによりPersonal vDiskデスクトップが準備中状態になります。
- Personal vDiskのサイズは、Citrix Provisioningの書き込みキャッシュディスクよりも常に大きくなくてはなりません。Personal vDiskがCitrix Provisioningの書き込みキャッシュより小さいと、Personal vDiskディスクが書き込みキャッシュとして使用されてしまう場合があります。
- デリバリーグループを作成した後では、サイズ変更とプール統計のスクリプト(
personal-vdisk-poolstats.ps1
)を使用してPersonal vDiskを監視することができます。
書き込みキャッシュディスクのサイズを正しく設定してください。Personal vDiskがアクティブな場合、ユーザーによる多くの書き込み処理(変更内容)がPersonal vDisk上にリダイレクトされます。このため、Citrix Provisioningの書き込みキャッシュディスクのサイズを小さく設定できる場合があります。ただし、Citrix Provisioningの書き込みキャッシュディスクのサイズが小さいと、Personal vDiskがアクティブでないとき(イメージ更新時など)にキャッシュディスクの空きが足りなくなり、マシンがクラッシュすることがあります。
Citrix Provisioningのベストプラクティスに従ってCitrix Provisioning書き込みキャッシュディスクのサイズを設定し、さらにマスターイメージ上のテンプレートVHDの2倍のサイズを統合(マージ)処理用に追加することをお勧めします。マージ処理ですべての領域が使用されることはまれですが、可能性はあります。
Personal vDiskが有効なマシンのカタログをCitrix Provisioningで展開する場合は、以下の点に注意してください:
- Citrix Provisioningのドキュメントの手順に従ってください。
- Studioのホスト接続の設定を編集して、同時操作を制限することができます。方法については、後述の説明を参照してください。
- アプリケーションやほかのソフトウェアをインストールまたはアップデートし、Citrix Provisioning vDiskを再起動した後でそのvDiskを更新した場合は、Personal vDiskインベントリを実行して仮想マシンをシャットダウンしてください。その後で、新しいバージョンを実稼働モードに昇格させます。そのカタログ内のPersonal vDiskデスクトップが自動的に準備中の状態になります。準備中にならない場合は、Soap ServiceアカウントにControllerのマシン管理者またはそれ以上の権限が付与されていることを確認してください。
Citrix Provisioningのテストモード機能を使用すると、更新済みのマスターイメージを使用するマシンのテストカタログを作成できます。このテストカタログで実用性をテストしてから、それを実稼働用に昇格させることができます。
考慮事項:Machine Creation Services
Personal vDiskが有効なマシンのカタログをMachine Creation Services(MCS)で展開する場合は、以下の点に注意してください。
- 製品ドキュメントの手順に従ってください。
- マスターイメージ作成後にPersonal vDiskインベントリを実行し、仮想マシンの電源を切ります(仮想マシンの電源を切らないとPersonal vDiskが正しく機能しません)。次に、マスターイメージのスナップショットを作成します。
- マシンカタログの作成ウィザードで、Personal vDiskのサイズとドライブ文字を指定します。
- デリバリーグループを作成した後では、サイズ変更とプール統計のスクリプト(
personal-vdisk-poolstats.ps1
)を使用してPersonal vDiskを監視することができます。 - Studioのホスト接続の設定を編集して、同時操作を制限することができます。方法については、後述の説明を参照してください。
- マスターイメージを更新する場合は、マスターイメージ上のアプリケーションやほかのソフトウェアをアップデートした後でPersonal vDiskインベントリを実行し、仮想マシンの電源を切ります。次に、マスターイメージのスナップショットを作成します。
- Personal vDisk Image Update Monitoring Toolまたはpersonal-vdisk-poolstats.ps1スクリプトを使用して、更新したマスターイメージが展開される各仮想マシン上に十分な領域があることを確認します。
- マシンカタログを更新すると、各Personal vDiskデスクトップが準備中の状態になり、マスターイメージの更新内容が適用されます。各デスクトップは、マシン更新時に指定したロールアウト方法に基づいて更新されます。
- Personal vDisk Image Update Monitoring Toolまたはpersonal-vdisk-poolstats.ps1スクリプトを使用して、「準備中」状態のPersonal vDiskを監視します。
- PVDとMCS IOキャッシュの選択は、相互に排他的です。 PVDをインストールすると、MCS IOキャッシュが有効になっているカタログを作成できなくなります。
方法:vDiskからファイルやフォルダーを除外する
vDiskからファイルやフォルダーを除外するには、以下の規則ファイルを使用します。この方法は、展開済みのPersonal vDiskで使用できます。この規則ファイルの名前はcustom_*_rules.template.txtで、configフォルダーに格納されています。これらのファイルの使用方法については、各規則ファイルのコメントを参照してください。
方法:マスターイメージ更新時のインベントリの実行
Personal vDiskを有効にしてマスターイメージを更新したら、ディスクのインベントリを更新し(この操作は「インベントリの実行」と呼ばれます)、新しいスナップショットを作成することが重要です。
マスターイメージを管理するのは(ユーザーではなく)管理者であるため、管理者がアプリケーションをインストールしたときにその管理者のプロファイルにバイナリファイルが配置されると、共有された仮想デスクトップ(プールされたマシンカタログおよびプールされたPersonal vDiskマシンカタログのデスクトップも含む)のユーザーがそのアプリケーションを使用できなくなります。このようなアプリケーションは、ユーザーが自分でインストールする必要があります。
以下の各手順を実行した後で、イメージのスナップショットを作成することをお勧めします。
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マスターイメージを更新します。つまり、オペレーティングシステムの更新プログラムや必要なアプリケーションをインストールして、マシンのシステム構成を実行します。
Personal vDiskを使用するWindows XPベースのマスターイメージの場合は、ソフトウェアインストールの確認メッセージや未署名のドライバーの使用に対するメッセージなど、何らかのダイアログボックスが開いていないことを確認します。この環境のマスターイメージでダイアログボックスが開いていると、VDAをDelivery Controllerに登録できません。未署名のドライバーに対するメッセージは、コントロールパネルで無効にすることができます。たとえば、[システム]、[ハードウェア]、[ドライバの署名]の順に選択し、警告メッセージを無視するオプションを選択します。
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マシンをシャットダウンします。Windows 7マシンの場合は、Citrix Personal vDiskがシャットダウンをブロックするときに[キャンセル]をクリックします。
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[Citrix Personal vDisk]ダイアログボックスの[インベントリの更新]をクリックします。この処理が完了するまで数分間かかることがあります。
重要: この処理の後のシャットダウンを中断すると、(軽微なイメージ更新であっても)Personal vDiskのインベントリがマスターイメージと一致しなくなります。これによりPersonal vDiskが機能しなくなります。シャットダウンを中断した場合は、マシンを再起動してから再度シャットダウンし、メッセージが表示されたら[インベントリの更新]をもう一度クリックします。
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インベントリ操作によりマシンがシャットダウンしたら、マスターイメージのスナップショットを作成します。
インベントリをネットワーク共有上にエクスポートして、それをマスターイメージ上にインポートできます。詳しくは、「Personal vDiskインベントリのエクスポートとインポート」を参照してください。
方法:ホスト接続での同時操作を制限する
デスクトップやアプリケーションを提供するマシンの電源状態は、Citrix Broker Serviceにより制御されます。このBroker Serviceは、Delivery Controllerを介していくつかのハイパーバイザーを制御することもできます。Broker Serviceの電源操作機能により、Controllerとハイパーバイザー間の相互操作が制御されます。ハイパーバイザーに過剰な負荷がかかることを防ぐため、マシンの電源状態に対する変更操作に優先度が割り当てられ、これによりハイパーバイザーの同時操作が制御されます。これを設定するには、次の手順に従います。これらの値を変更するには、Studioの[ホスト]ノードで[接続の編集]ダイアログボックスを開き、[詳細設定]ページを使用します。
ホスト接続の同時操作を制御するには、次の手順に従います。
- Studioの [ナビゲーション] ペインで [構成]>[ホスト] の順に選択します。
- 接続を選択し、[操作]ペインの [接続の編集] を選択します。
- 必要に応じて、以下の値を変更します:
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同時操作(すべての種類): 同時に実行可能な電源操作の上限値を指定します。この値は、絶対値およびハイパーバイザーへの接続に対するパーセンテージで指定できます。2つの設定値のうちより小さい値が適用されます。
デフォルト値:絶対値100、20%
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Personal vDiskストレージインベントリの同時更新: 同時に実行可能なPersonal vDiskの電源操作の上限値を指定します。この値は、絶対値および接続に対するパーセンテージで指定できます。2つの設定値のうちより小さい値が適用されます。
デフォルト値:絶対値50、25%
絶対値を計算するには、エンドユーザーのストレージでサポートされる合計IOPS(1秒あたりの読み取り/書き込み回数)を使用します。さらに、各仮想マシンのIOPS(IOPS/VM)を350として、ストレージで同時にアクティブにできる仮想マシン数を計算します。合計IOPS値をIOPS/VM値で除算するとこの値が算出されます。
たとえば、エンドユーザーのストレージのIOPSが14000の場合、同時にアクティブにできる仮想マシン数は40(14000÷350=40)になります。
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1分あたりの最大新規操作: ハイパーバイザーに送信可能な新規電源操作の1分あたりの上限値を指定します。この値は、設定値で指定します。
デフォルト値:10
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これらの設定について最適な値を確認するには、以下の操作を行います。
- デフォルトの値を使用して、テストカタログの単一イメージ更新にかかる合計応答時間を計測します。つまり、イメージ更新の開始時刻(T1)からカタログ内の最後のマシンでのVDAのControllerへの登録時刻(T2)までの時間を計測します(合計応答時間=T2-T1)。
- イメージ更新時のハイパーバイザーストレージのIOPS(1秒あたりの読み取り/書き込み回数)を計測します。この値を最適化の基準値として使用します。通常はデフォルトの設定値を使用しますが、IOPSの限界まで達する場合はより小さい値を設定します。
- 以下の手順に従って[Personal vDiskストレージインベントリの同時操作]の値を変更します(ほかのすべての設定値はそのまま保持します)。
- 値を10ずつ増やし、そのたびに合計応答時間を計測します。合計応答時間が低下または一定化するまでこれを繰り返します。
- 値を10ずつ増やしても合計応答時間が改善されない場合は、値を10ずつ減らし、そのたびに合計応答時間を計測します。合計応答時間が一定化し、改善されなくなるまでこれを繰り返します。これにより、最適なPersonal vDisk電源操作値を求めます。
- 最適なPersonal vDisk電源操作値を確認したら、[同時操作(すべての種類)]および[1分あたりの最大新規操作]の設定値を1つずつ調整します。これらの設定でも、上記の(値を10ずつ増減させる)方法で値を変更して効果を確認します。
方法:System Center Configuration Manager 2007とPersonal vDisk
System Center Configuration Manager(Configuration Manager)2012を使用する場合は特別な構成が不要で、ほかのマスターイメージアプリケーションと同じ方法でインストールできます。以下の説明は、System Center Configuration Manager 2007にのみ適用されます。Configuration Manager 2007より前のバージョンはサポートされません。
Personal vDisk環境でConfiguration Manager 2007エージェントソフトウェアを使用するには、以下の操作を行います。
- マスターイメージにクライアントエージェントをインストールします。
- マスターイメージにConfiguration Managerクライアントをインストールします。
- ccmexec service(SMS Agent)を停止して、さらに無効に設定します。
- ローカルコンピューターの証明書ストアから、SMSまたはクライアント証明書を削除します。これを行うには、以下の手順に従います。
- 混在モード:証明書(ローカルコンピューター)\SMS\証明書
- ネイティブモード
- 証明書(ローカルコンピューター)\個人\証明書
- 証明機関(通常は内部の公開キー基盤)により発行されたクライアント証明書を削除します。
- C:\Windows\smscfg.iniを削除するか、名前を変更します。
- クライアント固有の情報を削除します。
- C:\Windows\System32\CCM\Logsのログファイルを削除または移動します(オプション)。
- Virtual Delivery Agentがインストールされていない場合はインストールして、Personal vDiskのインベントリを実行します。
- マスターイメージをシャットダウンしてスナップショットを作成し、このスナップショットを使用してマシンカタログを作成します。
- Personal vDiskを検証して、サービスを起動します。各Personal vDiskデスクトップの初回起動時に、以下の手順を1回実行します。ドメインのグループポリシーオブジェクトを使用してこれを実行することもできます。
- Personal vDiskがアクティブであることを確認します。これを行うには、レジストリキーHKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Citrix\personal vDisk\config\virtualが存在することを確認します。
- ccmexec service(SMSエージェント)を[自動]にして、このサービスを起動します。Configuration ManagerクライアントがConfiguration Managerサーバーと通信して、新しい固有の証明書およびGUIDが取得されます。