デリバリーグループの作成
デリバリーグループは、1つ以上のマシンカタログから選択したマシンをグループ化したものです。デリバリーグループでは、それらのマシンを使用できるユーザーと、そのユーザーに提供するアプリケーションまたはデスクトップ(もしくはその両方)を指定します。
サイトおよびマシンカタログを作成した後、展開の構成における次の手順となるのが、デリバリーグループの作成です。その後、最初のデリバリーグループにおける初期設定を変更し、別のデリバリーグループを作成することができます。また、デリバリーグループの作成時ではなく、その編集時にのみ構成できる機能と設定もあります。
リモートPCアクセスでサイトを作成すると、リモートPCアクセスデスクトップという名前のデリバリーグループが自動的に作成されます。
デリバリーグループを作成するには、次の手順に従います:
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サイトおよびマシンカタログを作成した後でデリバリーグループを作成していない場合は、デリバリーグループを作成するための説明が表示されます。既存のデリバリーグループがあり、別のデリバリーグループを作成する場合は、Studioのナビゲーションペインで [デリバリーグループ] を選択し、[操作]ペインの [デリバリーグループの作成] を選択します。
- デリバリーグループの作成ウィザードが起動され、[はじめに] ページが開きます。このページは、今後このウィザードが起動されたときに開かないように設定できます。
- ウィザードの指示に従って、以下のページの操作を行います。各ページの操作を終えたら、最後のページに到達するまで [次へ] をクリックします。
手順1:マシン
[マシン] ページでカタログを選択して、そのカタログから使用するマシンの番号を選択します。
ヒント:
- マシンカタログに未使用のマシンが残っていない場合、そのカタログを選択することはできません。
- 複数のデリバリーグループで同じカタログを選択することができますが、同じマシンを複数のデリバリーグループで使用することはできません。
- 1つのデリバリーグループで、複数のマシンカタログのマシンを使用できますが、これらのマシンカタログに同じ種類のマシン(サーバーOS、デスクトップOS、リモートPCアクセス)が含まれている必要があります。つまり、異なる種類のマシンをデリバリーグループに混在させることはできません。同様に、展開にWindowsマシンのカタログとLinuxマシンのカタログが含まれている場合、デリバリーグループには、両方ではなくいずれかの種類のオペレーティングシステムのマシンのみを含めることができます。
- すべてのマシンに最新のVDAバージョンをインストールするか、またはすべてのマシンにおいてVDAを最新バージョンにアップグレードしてから、必要に応じてカタログおよびデリバリーグループをアップグレードすることをお勧めします。デリバリーグループの作成時に、異なるVDAバージョンがインストールされたマシンを選択した場合、デリバリーグループは最も古いバージョンと互換性を持ちます(これは、グループの機能レベルと呼ばれます)。たとえば、選択したマシンの1つにVDA Version 7.1がインストールされており、ほかのマシンには最新バージョンがインストールされている場合、グループ内のすべてのマシンで使用できるのは、VDA 7.1でサポートされていた機能のみです。すなわち、より新しいVDAバージョンを必要とする機能を、このデリバリーグループで利用できない可能性があります。たとえば、AppDiskの機能を使用するには、VDA(およびグループの機能レベル)のバージョンは7.8以上である必要があります。
- リモートPCアクセスカタログの各マシンは、デリバリーグループに自動的に関連付けられます。リモートPCアクセスサイトを作成すると、「リモートPCアクセスマシン」という名前のマシンカタログと、「リモートPCアクセスデスクトップ」という名前のデリバリーグループが自動的に作成されます。
- 次の互換性チェックが実行されます:
- MinimumFunctionalLevelに互換性があること
- SessionSupportに互換性があること
- AllocationTypeはSingleSessionに対する互換性があること
- ProvisioningType`に互換性があること
- PersistChangesはMCSおよびCitrix Provisioningに対する互換性があること
- RemotePCカタログはRemotePCカタログとのみ互換性があること
- AppDisk関連のチェック
手順2:配信の種類
このページは、静的(割り当て済み)デスクトップOSマシンを含むカタログを選択した場合にのみ開きます。
[配信の種類] ページで [アプリケーション] か [デスクトップ] を選択します。両方を有効にすることはできません。
サーバーOSまたはデスクトップOSランダム(プール)カタログのマシンを選択した場合、配信の種類はアプリケーションとデスクトップと見なされます:この場合は、アプリケーションかデスクトップ、またはその両方を配信できます。
手順3:AppDisk
AppDisksは廃止されました。
AppDiskを追加するには、[追加] をクリックします。[AppDiskの選択]ダイアログボックスでは、左側の列に選択可能なAppDiskが一覧表示されます。右側の列にAppDiskのアプリケーションが一覧表示されます右の列の上にある [アプリケーション] タブを選択すると、[スタート]メニューと同様の形式でアプリケーションが一覧表示されます。 [インストール済みパッケージ] タブを選択すると、[プログラムと機能]リストと同様の形式でアプリケーションが一覧表示されます。
1つまたは複数のチェックボックスをオンにします。
手順4:ユーザー
このデリバリーグループで配信されるアプリケーションやデスクトップを使用できるユーザーおよびユーザーグループを指定します。
ユーザー一覧の指定場所
以下の作成時または編集時に、Active Directoryユーザー一覧を指定します。
- サイトのユーザーアクセス一覧(Studioでは構成しません)。アプリケーション資格ポリシー規則には、デフォルトではすべてのユーザーが含まれます。詳しくは、PowerShell SDKの
BrokerAppEntitlementPolicyRule
コマンドレットを参照してください。 - アプリケーショングループ(構成されている場合)。
- デリバリーグループ。
- アプリケーション。
StoreFront経由でアプリケーションにアクセスできるユーザーの一覧は、上記のユーザー一覧の共通部分になります。たとえば、ほかのグループに対して極端なアクセス制限をせずに、特定の部門に対してアプリケーションAの使用を構成するには次のように設定します:
- 全ユーザーが含まれる、デフォルトのアプリケーション資格ポリシー規則を使用します。
- デリバリーグループで指定されたすべてのアプリケーションをすべての本社ユーザーが使用できるよう、デリバリーグループのユーザー一覧を構成します。
- (アプリケーショングループが構成されている場合)アプリケーションA~Lに管理部門および財務部門のメンバーがアクセスできるよう、アプリケーショングループのユーザー一覧を構成します。
- 管理部門と財務部門のアカウントを受信可能なユーザーのみに表示されるよう、アプリケーションAのプロパティを構成します。
認証が必要なユーザーおよび認証が不要なユーザー
ユーザーには、認証が必要なユーザーと認証が不要なユーザーの2種類があります(認証が不要なユーザーは「匿名ユーザー」とも呼ばれます)。いずれか一方または両方の種類のユーザーをデリバリーグループ内に構成できます。
- 認証が必要なユーザー: 特定のアカウント名で指定したユーザーおよびグループメンバーは、アプリケーションとデスクトップにアクセスするときに、StoreFrontまたはCitrix Workspaceアプリで資格情報(スマートカード、またはユーザー名とパスワードなど)による認証を求められます。デリバリーグループにデスクトップOSマシンが含まれる場合、後にそのデリバリーグループを編集することでユーザーデータ(ユーザーの一覧)をインポートできます。
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認証が不要なユーザー(匿名ユーザー): サーバーOSマシンを含むデリバリーグループでは、StoreFrontまたはCitrix Workspaceアプリでの認証が不要な匿名アクセスを許可できます。たとえば、キオスクのアプリケーションでは資格情報を必須にして、Citrixアクセスポータルやツールでは不要にできます。最初のDelivery Controllerをインストールすると、匿名のユーザーグループが作成されます。
認証が不要なユーザーのアクセスを許可するには、デリバリーグループの各マシンにVDA for Windows Server OS(Version 7.6以降)がインストールされている必要があります。認証が不要なユーザーのアクセスを有効にする場合は、認証が不要なStoreFrontストアを作成しておく必要があります。
認証が不要なユーザーアカウントはセッション開始時にオンデマンドで作成され、AnonXYZ(XYZは一意の3桁の値)という名前が付けられます。
認証が不要なユーザーのセッションにはデフォルトで10分のアイドルタイムアウトが設定され、セッションを切断すると自動的にログオフされます。切断セッションへの再接続、デバイス間のローミング、およびワークスペースコントロールはサポートされません。
次の表に、[ユーザー]ページでの選択肢を示します:
アクセスを許可するユーザー | ユーザーおよびユーザーグループを追加/割り当てるかどうか | [認証が不要な(匿名)ユーザーのアクセスを許可する]チェックボックスをオンにするかどうか |
---|---|---|
認証が必要なユーザーのみ | はい | いいえ |
認証が不要なユーザーのみ | いいえ | はい |
認証が必要なユーザーおよび認証が不要なユーザー | はい | はい |
手順5:アプリケーション
ヒント:
- リモートPCアクセスのデリバリーグループにアプリケーションを追加することはできません。
- アプリケーションを追加すると、デフォルトでApplications(アプリケーション) という名前のフォルダー内に配置されます。別のフォルダーを指定することもできます。詳しくは、「アプリケーションの管理」を参照してください。
- アプリケーションのプロパティは、デリバリーグループへの追加時、または後で変更できます。詳しくは、「アプリケーションの管理」を参照してください。
- アプリケーションの追加時に、そのフォルダー内に同じ名前のアプリケーションが既に存在する場合、追加するアプリケーションの名前を変更するよう指示するメッセージが表示されます。名前の変更を拒否すると、アプリケーションはサフィックス付きで追加され、そのアプリケーションフォルダー内で名前が一意になります。
- アプリケーションを複数のデリバリーグループに追加する場合、そのすべてのデリバリーグループのアプリケーションを見ることができる十分な権限を有していなければ、表示上の問題が発生する可能性があります。そのような問題が発生した場合は、より上位の権限を持つ管理者に相談するか、または自身の権限を拡張して、アプリケーションを追加したデリバリーグループをすべて含めるようにします。
- 2つのアプリケーションを同じ名前で同じユーザーに公開する場合は、Studioで[アプリケーション名(ユーザー用)]プロパティの名前を変更します。これを行わないと、ユーザーのCitrix Workspaceアプリに同じ名前が2つ表示されます。
[追加] をクリックして、アプリケーションのソースを表示します。
- [スタート]メニューから: 選択したカタログのマスターイメージから作成されたマシンで検出されたアプリケーション。このソースを選択すると、新たなページが開き、検出されたアプリケーションが一覧表示されるので、追加するアプリケーションを選択して[OK]をクリックします。
- 手動で定義: サイトまたはネットワーク内の別の場所にあるアプリケーション。このソースを選択すると、新たなページが開くので、そのページで実行可能ファイルのパス、作業ディレクトリ、オプションのコマンドライン引数、管理者およびユーザー用の表示名を入力します。これらの情報を入力したら、[OK]をクリックします。
- 既存:過去にサイトに追加された、おそらく別のデリバリーグループのアプリケーション。このソースを選択すると、新たなページが開き、検出されたアプリケーションが一覧表示されるので、追加するアプリケーションを選択して[OK]をクリックします。
- App-V: App-Vパッケージのアプリケーション。このソースを選択すると、新たなページが開くので、そのページでApp-Vサーバーまたはアプリケーションライブラリを選択します。表示結果からグループに追加するアプリケーションを選択し、[OK]をクリックします。詳しくは、App-Vを参照してください。
あるアプリケーションのソースまたはアプリケーションが選択できない、または無効な場合、そのアプリケーションは見ることができないか、選択できないかのどちらかです。たとえば、サイトに追加されたアプリケーションがない場合、[既存]を選択することはできません。アプリケーションが、選択したカタログのマシン上でサポートされるセッションタイプとの互換性を備えていない場合も同様です。
手順6:デスクトップ
このページのタイトルは、[マシン] ページで選択したカタログによって異なります:
- プールされたマシンを含むマシンカタログを選択した場合、このページのタイトルは [デスクトップ] になります。
- 割り当て済みのマシンを含むマシンカタログを選択し、[配信の種類] ページで[デスクトップ]を指定した場合、このページのタイトルは 「デスクトップユーザー割り当て」になります。
- 割り当て済みのマシンを含むマシンカタログを選択し、[配信の種類] ページで[アプリケーション]を指定した場合、このページのタイトルは 「アプリケーションマシンユーザー割り当て」になります。
[追加] をクリックします。ダイアログボックスで次の操作を実行します。
- [表示名] フィールドと [説明] フィールドに、Citrix Workspaceアプリで表示する情報を入力します。
- デスクトップにタグ制約を追加するには、[このタグでマシンの起動を制限します:]を選択し、ドロップダウンからタグを選択します。詳しくは、「タグ」を参照してください。
- ラジオボタンを使用して、(プールされたマシンのグループの)デスクトップを起動できるユーザー、または(割り当てられたマシンのグループの)デスクトップを起動した場合にマシンに割り当てられるユーザーを指定します。このデリバリーグループにアクセスできるあらゆるユーザー、または特定のユーザーやユーザーグループを指定できます。
- 割り当て済みのマシンがグループに含まれる場合、ユーザーあたりの最大デスクトップ数を指定します。1以上の値を入力する必要があります。
- (プールされたマシンの)デスクトップ、または(割り当て済みのマシンに対する)デスクトップ割り当て規則を有効または無効にします。デスクトップを無効にすると、デスクトップ配信が停止されます。デスクトップ割り当て規則を無効にすると、ユーザーへのデスクトップの自動割り当てが停止されます。
- ダイアログボックスの操作を終了したら、[OK]をクリックします。
サイト内の最大デスクトップインスタンス数(PowerShellのみ)
サイト内の最大デスクトップインスタンス数を構成するには(PowerShellのみ):
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PowerShellで、適切なBrokerEntitlementPolicyRuleコマンドレットにMaxPerEntitlementInstancesパラメーターを指定して実行します。たとえば、次のコマンドレットでは、「tsvda-desktop」ルールを変更して、サイト内で同時に実行できるデスクトップインスタンス数の上限を2に設定します。デスクトップインスタンスが2つ実行されている場合、3人目のサブスクライバーがデスクトップを起動しようとするとエラーが発生します。
Set-BrokerEntitlementPolicyRule -Name tsvda-desktop -MaxPerEntitlementInstances 2
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詳しくは、Get-Helpコマンドレットを使用してください。例:
Get-Help Set-BrokerEntitlementPolicyRule-Parameter MaxPerEntitlementInstances
手順7:概要
デリバリーグループの名前を入力します。オプションで、Citrix WorkspaceアプリとStudioに表示される説明を入力することもできます。
概要の情報を確認し、[完了]をクリックします。アプリケーションを1つも選択しなかった場合、または配信するデスクトップを1つも指定しなかった場合、続行するかどうかを確認するメッセージが表示されます。