RealTime Optimization Packのトラブルシューティング

XenAppおよびXenDesktop環境でのMicrosoft Skype for Businessの技術サポートについて詳しくは、https://support.citrix.com/article/CTX132979を参照してください。

警告

レジストリエディターの使用を誤ると、深刻な問題が発生する可能性があり、オペレーティングシステムの再インストールが必要になる場合もあります。レジストリエディターの誤用による障害に対して、シトリックスでは一切責任を負いません。レジストリエディターは、お客様の責任と判断の範囲でご使用ください。また、レジストリファイルのバックアップを作成してから、レジストリを編集してください。

インストールの検証とトラブルシューティング情報の収集

バージョン情報ページを開いて属性(接続タイプ、RealTime ConnectorおよびRealTime Media Engineのバージョン、Skype for Businessのバージョン、オペレーティングシステム)を確認します。

HDXバージョン情報の画像

ナビゲーション領域でOptimization Packアイコンを開き、接続の属性を確認します。次のスクリーンショットは、接続値の例を示しています。

接続済み - RealTime Connectorが仮想チャネルを介して接続されており、リモートのRealTime Media EngineのバージョンとmediaEngine.Netのバージョンが一致しています。

接続済みの画像

接続中 - MediaEngine.NetでRealTime Connectorへの接続を試行中です。

接続中の画像

フォールバックモードまたは非最適化モード - RealTime ConnectorがローカルのRealTime Media Engineプロセスに接続されています。

フォールバックモードまたは非最適化モードの画像

音声のみに設定されたフォールバックモードを無効にする

DisableFallbackがオーディオのみに設定されると、アイコンがこのポップアップを表示します。フォールバックモードの制御について詳しくは、「フォールバックモード」を参照してください。

ビデオのフォールバックを無効にする画像

バージョンの不一致 -[接続済み]と同じ状態ですが、バージョンが一致しません(メジャーまたはマイナーリリース番号が異なります)。

バージョンの不一致の画像

未接続 - レジストリ設定(ポリシー)で、MediaEngine.NetによるローカルでのRealTime Media Engineの実行が禁止されています。

未接続の画像

Optimizationアイコンを右クリックしてメニューからアイテムを選択し、インストールしたシステムを検証して、トラブルシューティング情報を収集できます。

  • バージョン情報 - RealTime ConnectorとRealTime Media Engineのバージョンが表示されます。
  • 設定 - [マイクレベルを自動調整する](Automatic Gain Control(AGC))と [エコーキャンセルを有効にする] のチェックボックスがあります。デフォルトでは、どちらも有効になっています。どちらかの機能に問題が発生した場合のみ、これらのオプションを無効にしてください。
  • 呼び出しの統計 - 通話中にネットワークの状態に関する情報を確認するには、[呼び出しの統計]を選択します。次の例に示すように、[ネットワークの状態]ウィンドウが開きます。[統計情報の保存] を選択すると、デフォルトでcall_statistics_<date>.txtという名前のテキストファイルに値が保存されます。注:[呼び出しの統計]ウィンドウを開いている時は、他のメニューアイテムは無効になります。
  • ログの収集 - [ログの収集] を選択すると、[名前を付けて保存] ダイアログボックスが開いてログファイルを保存できます。Log Parserツール(LOPper)では、次の情報が表示されます。
    • 発信者、受信者、通話時間などの通話の詳細。
    • 通話および発生した問題に関する詳細。
    • エンドポイント間のセッション記述プロトコル(SDP)ペイロードのフロー。
    • 呼び出しの統計。
    • 通話中のエラーや警告。
    • セッション記述プロトコル(SDP)メッセージ。

Log Parserツール(LOPper)について詳しくは、https://support.citrix.com/article/CTX214237を参照してください。

  • ヘルプ - Skype for Businessのヘルプが開きます。

呼び出しの統計 - サイマルキャストビデオ情報を含むオーディオおよびビデオ統計情報を表示します。

呼び出しの統計の画像

品質低下の解決

Optimization Packのパフォーマンスおよび安定性が低下する場合、アンチウィルスまたはセキュリティアプリケーションとともに使用したことが原因の可能性があります。この問題を解決するには、アンチウィルスまたはセキュリティアプリケーションが正しく構成されているか確認してください。

正しい構成には、次のソフトウェアを除外対象にする必要があります。

  • Optimization Packプロセス
  • Optimization Packのログファイルの場所
  • Skype for Businessクライアントのログファイルの場所
  • リアルタイム設定でNetwork Directory Scan(ネットワーク共有およびマップされたネットワークデバイス上のファイルとフォルダーのスキャン)が無効になっている

サウンドの問題について詳しくは、「サウンドの問題と通話の確立の遅延」を参照してください。

Dell Wyse端末のクラッシュログの保存

Dell Wyse端末でユーザーモードで操作している時は、アプリケーションクラッシュのログファイルは保存されません。クラッシュログを保存するには、管理者モードで操作する必要があります。クラッシュログはデフォルトで、Wyse端末のZドライブであるMS-RAMDRIVEに作成されます。

ビデオ品質低下の解決

ビデオ品質の低下は次の問題のいずれかが原因で発生することが多くあります。

  • HD(High Definition:高品位)ビデオ通話に対応しているユーザーデバイスで、十分な帯域幅が利用できる場合、RealTime Media Engineはこの機能を使用します。デバイスのWebカメラがH.264ハードウェアエンコーディングを使用していない場合、低い解像度のビデオが配信されることがあります。
  • CPU性能が低い場合には、しばしばビデオ品質が低下する原因となります。Optimization Packアイコンを右クリックして [呼び出しの統計] を選択し、CPUパフォーマンスをチェックします。
  • 古いWindows 7ハードウェアおよびソフトウェアが原因で、ビデオレンダリング中にエラーメッセージが表示されます。ハードウェアおよびソフトウェアには最新の更新プログラムを適用してください。
  • カメラが生ずるフレームレートが低いことが原因で、Logitech RightLightテクノロジーによりビデオ品質が低下します。Logitechカメラ設定を編集して[RightLight]チェックボックスをオフすると、カメラが取得する1秒あたりのフレーム数が増加します。
  • ワイヤレスネットワーク接続が原因でビデオ品質が低下することがあります。ビデオパケットを確実に伝送するために、ワイヤード(有線)接続が利用できる時は、ワイヤレスアダプターを無効にした後にワイヤードネットワークに接続します。

以下は、ビデオ品質を向上させるためのその他の方法です。

  • 輝度を高くする。
  • イメージが転送されるルームのバックグラウンドをより暗くする。
  • カメラのちらつき対策設定を調整する。

Skype for Businessのビデオ品質に影響を与える要素については、https://support.citrix.com/article/CTX222553を参照してください。

Windowsを実行中のノートPC上での通話品質の低下または通話接続の失敗の解決

IntelプロセッサにはSpeedStepテクノロジーが装備され、これによりマシンをバッテリー駆動している場合にプロセッサのクロック速度を低下させます。デスクトップビデオアプリケーションは通常のプロセッサ速度での実行を必要とするため、SpeedStepが原因でビデオと音声の品質が低下し、通話接続に失敗することがあります。

Windowsの電源設定が[ポータブル/ラップトップ]に設定されている場合、SpeedStepは有効になっています。通話接続の低品質を解決するには、この電源設定を[自宅または会社のデスク]または[常にオン]に変更します。また通話品質を低下させないためには、ノートPCは電源に接続して使用することをお勧めします。

ファイアウォールがRealTime Connectorをブロックしているかの判別

パーソナルファイアウォールによりネットワークの初期化が長時間ブロックされると、RealTime Connectorの初期化に失敗する可能性があります。アプリケーションのブロックを解除すると、次回のプログラムの実行時にこの問題が解決されます。

ファイアウォールがブロックされると、次のようなエラーメッセージが表示されることがあります。

  • RealTime ConnectorはRealTime Media Engineからの接続を待機しています。
  • このデバイス上でRealTime Connector for Microsoft Lyncの実行を継続できません。RealTime Media Engineとの通信が中断されました。システム管理者に問い合わせてください。

この問題を解決するには、Windowsファイアウォールで例外を作成してください。

ワイヤレスネットワーク接続を使っている場合のビデオの品質問題の解決

ワイヤレスネットワーク接続を使用している時にビデオ品質が低いという問題がある場合は、ワイヤレスアクセスポイントに近い場所に移動してみます。これで問題が解決しない場合には、有線ネットワーク接続を試してみます。有線ネットワーク接続を使用する場合、伝送の問題を避けるためワイヤレスネットワークアダプターを無効にします。

インストールの問題の解決

通常、ソフトウェアに関して最も一般的なインストールの問題は、インストールに必要なシステムファイルが破損していることに関連しています。このようなエラーが発生するのはまれですが、トラブルシューティングは容易ではありません。

RealTime Media Engineをインストールするには、Microsoft .NET 4.0が必要です。Microsoft .NET 4.0がインストールされていない場合はインストールしてください。既にインストールされている場合は、Microsoft .NET 4.0の修復インストールを行ってください。

一部のWindowsマシン上では、埋め込みカスタムアクションVBスクリプトの実行する場合、ソフトウェアのインストール中にエラーが発生します。ユーザーに表示されるまたはインストールログに記録される一般的エラーは、2738および1720です。アンチウィルスプログラムがHKEY_LOCAL_MACHINEではなくHKEY_CURRENT_USERレジストリハイブの下にvbscript.dll Class IDを置いた場合に、これらのエラーが発生する場合があります。HKEY_LOCAL_MACHINEハイブは、適切な実行レベルの昇格に必要な場所です。

次のレジストリクエリを実行して、vbscript.dll Class IDが現在のユーザー、システム全体、またはその両方にインストールされるか判別します。

  • % reg query HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Classes\CLSID\{B54F3741-5B07-11CF-A4B0-00AA004A55E8}
  • % reg query HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\CLSID\{B54F3741-5B07-11CF-A4B0-00AA004A55E8}

Class IDはHKEY_LOCAL_MACHINEに対してのみ表示されます。HKEY_CURRENT_USERの下の場合は、次の手順に従います。Class IDがHKEY_LOCAL_MACHINEの下にありHKEY_CURRENT_USERの下にない場合、手順2から開始します。

  1. アンチウィルスクリーンアップユーティリティを実行します。

    1. 端末にインストールされたアンチウィルスプログラムがあり、その製造元のクリーンアップユーティリティがある場合は、そのクリーンアップユーティリティを実行します。
    2. RealTime Media EngineインストーラーのMSIを再度実行します。
    3. 問題が解決しない場合は、次の手順に進みます。
  2. vbscript.dllの登録

    vbscript.dllファイルまたはそのClass IDに対するレジストリ参照が非登録または破損状態になることがあります。次の手順に従って登録または修復を実行します。

    1. 管理者としてCMD.exeを実行します。[スタート]をクリックし、「cmd」と入力して[cmd]を右クリックし、[管理者として実行] をクリックします。
    2. コマンドウィンドウに次を入力します。
      • 32ビットバージョンのWindowsの場合:cd %windir%\system32
      • 64ビットバージョンのWindowsの場合:cd %windir%\syswow64
    3. コマンドウィンドウに次のように入力します:regsvr32 vbscript.dll
    4. RealTime Media EngineインストーラーのMSIを再度実行します。
    5. 問題が解決しない場合は、次の手順に進みます。
  3. vbscript.dll Class IDを削除します。

    1. レジストリエディターで、レジストリキーHKEY_Current_User\SOFTWARE\Classes\CLSID{ B54F3741-5B07-11CF-A4B0-00AA004A55E8}を検索して削除します。

    2. [スタート]、[コントロールパネル] の順にクリックし、ユーザーアカウント制御設定に移動してスライダーを [通知しない] に移動します。

      トラブルシューティングが完了した後は、必要に応じてこの変更を元に戻すことができます。

    3. RealTime Media EngineインストーラーのMSIを再度実行します。

    4. 問題が解決しない場合は、次の手順に進みます。

  4. システムファイルチェッカーで壊れたシステムファイルを修復します。

    1. 管理者としてCMD.exeを実行します。[スタート]をクリックし、「cmd」と入力して[cmd]を右クリックし、[管理者として実行] をクリックします。
    2. コマンドウィンドウで「sfc /scannow」と入力します。
    3. RealTime Media EngineインストーラーのMSIを再度実行します。
    4. 問題が解決しない場合は、次の手順に進みます。
  5. 壊れたレジストリエントリを元の状態に復元します。

    1. Windows端末を再起動し、再起動中にオペレーティングシステムのインストールDVDを挿入してそこから起動させます。

      オペレーティングシステムのインストールDVDは端末にインストール済みのWindows Service Packに一致するものである必要があります。

    2. インストール手順に従って処理を進め、オペレーティングシステムを修復するオプションを選択します。

    3. RealTime Media EngineインストーラーのMSIを再度実行します。

通知領域のアイコンが非最適化されたフォールバック操作を表示

フォールバックモードで非最適化されたセッションとは、RealTime ConnectorがRealTime Media Engineに接続できず、オーディオとビデオの処理がサーバー上で発生した場合です。通知領域のアイコンが非最適化されたフォールバックセッションを表示する場合、次のトラブルシューティングのヒントを実行してください。

  • RealTime Media Engineがクライアントデバイスにインストールされていない場合、インストールします。
  • RealTime Connectorより新しいバージョンのRealTime Media Engineがユーザーデバイスにインストールされています。正しいバージョンのRealTime Media Engineを再インストールするか、RealTime Connectorをアップグレードしてください。RealTime Connectorバージョン2.xとRealTime Media Engineバージョン2.4の任意の組み合わせを使用できます。RealTime Connectorのバージョンは、RealTime Media Engineと同じか、それ以降のバージョンである必要があります。
  • RealTime Media Engineの開始に失敗する可能性があります。ログを取得するには、RealTime Optimization Packアイコンをクリックし、[Logs] を選択します。問題の原因を特定できない場合は、シトリックステクニカルサポートにお問い合わせください。

システムトレイにアイコンが表示されない

エンドポイントとサーバーの両方にOptimization PackをインストールしてSkype for Businessを起動した後、Optimization Packアイコンがシステムトレイに表示されます。表示されない場合は、Skype for Businessのバージョンが更新プログラム(PU)15.0.4779.1001以降であることを確認してください。

通知バルーンが表示されない

通知バルーンが表示されない場合、機能が無効になっていないか確認します。この機能は有効または無効にできます。詳しくは、「通知バルーン」を参照してください。

サウンドの問題と通話の確立の遅延

通話の確立に時間がかかる、または確立された通話にサウンドの問題が発生する場合、アンチウィルスソフトウェアで、lync.exeがスキャン対象から除外されていることを確認します。たとえば、次のようになります:

  • 着信時の呼び出し音が一定の間隔で正しく鳴らない。
  • デュアルトーンマルチ周波数(Dual Tone Multiple Frequency:DTMF)の再生が一定でなく、入力された番号の判別が難しい。
  • 発信時の呼び出し音が途切れて聞こえる。

Windows Defenderサウンドの問題は、Windows Defenderが原因の可能性があります。Windows 8.1およびWindows 10 VDAについては、予防的な措置として以下を実行することをお勧めします。

  1. [スタート] をクリックし、「Defender」と入力します。
  2. Windows Defenderの設定オプションを選択します。
  3. [除外]までスクロールし、[除外の追加] を選択します。
  4. [exe、.com、または.scrプロセスを除外します]を選択します。
  5. Skype for Businessのインストール先(C:\Program Files\Microsoft Office\Office15)に移動します。
  6. [Lync.exe]を選択し、[このファイルを除外する] をクリックします。

Skype for BusinessがWebカメラを認識しない

Skype for BusinessがユーザーのWebカメラを認識しない場合、システムレジストリを編集してDevicePathを追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{860BB310-5D01-11d0-BD3B-00A0C911CE86}\Instance\Citrix HDX Web Camera。(32ビットデバイス)

HKEY_CLASSES_ROOT\Wow6432Node\CLSID\{860BB310-5D01-11d0-BD3B-00A0C911CE86}\Instance\Citrix HDX Web Camera(64ビットデバイス)

名前:DevicePath

種類:REG_SZ

値:Citrix Client