Citrix Virtual Apps and Desktops

サイトの作成

サイトとは、Citrix Virtual Apps and Desktops展開に指定する名前のことです。サイトは、Delivery Controllerなどのコアコンポーネント、VDA(Virtual Delivery Agent)、ホストへの接続、およびマシンカタログやデリバリーグループで構成されます。コアコンポーネントをインストールしたら、最初のマシンカタログやデリバリーグループを作成する前に、サイトを作成します。

ControllerがServer Coreにインストールされている場合は、Citrix Virtual Apps and Desktops SDKのPowerShellコマンドレットを使用してサイトを作成します。

サイトを作成すると、Citrixのカスタマーエクスペリエンス向上プログラム(CEIP)に自動的に登録されます。CEIPでは、統計情報や使用状況が匿名で収集され、Citrixに送信されます。最初のデータパッケージは、サイトを作成してから約7日後にCitrixに送信されます。登録内容は、サイトの作成後いつでも変更できます。Studioのナビゲーションペインで [構成] を選択し、[製品サポート]タブでガイダンスに従って操作します。詳しくは、http://more.citrix.com/XD-CEIPを参照してください。

サイトを作成する管理者には、そのサイトのすべての管理タスクの実行権限が設定されます。詳しくは「管理権限の委任」を参照してください。

成り行きを予想できるように、この記事を確認してからサイトを作成してください。

手順1:Studioを開いてサイト作成ウィザードを開始する

Studioが起動していない場合は起動します。サイトの作成ウィザードを開始する手順が自動的に表示されます。その操作を選択します。

手順2:サイトの種類と名前

[はじめに] ページで、サイトの種類を選択します:

  • アプリケーションとデスクトップを配信するサイト。アプリケーションおよびデスクトップのデリバリーサイトを作成する場合は、完全展開サイト(推奨)または空のサイトのいずれかを選択できます。空のサイトには一部の構成のみが含まれ、通常Citrix製品の管理に慣れた管理者がこのオプションを選択します。
  • リモートPCアクセスサイト。リモートPCアクセスサイトは、特定のユーザーにオフィスにある自分のコンピューターへのセキュアなリモートアクセスを提供します。

ここでアプリケーションとデスクトップを配信するサイトを作成しても、リモートPCアクセス展開を後で追加できます。また、ここでリモートPCアクセス展開を選択しても、完全展開を後で追加できます。

サイトの名前を入力します。サイトを作成すると、その名前がStudioのナビゲーションペインの上部に表示されます:Citrix Studioサイト名)。

手順3:データベース

[データベース] ページには、サイト、監視、および構成ログの各データベースを設定するための選択肢が含まれています。データベースセットアップでの選択肢および要件について詳しくは、「データベース」を参照してください。

注:

SQL Server Always OnリスナーがTLS暗号化用に構成されている場合、データベース作成権限がある資格情報を入力するように求められる場合があります。有効な管理者資格情報を入力した場合でも、データベースを作成しようとすると失敗します。SQL Server証明書のサブジェクト別名(SAN)にリスナーのDNS名が含まれていることを確認します。詳しくは、https://docs.microsoft.com/en-us/sql/database-engine/availability-groups/windows/listeners-client-connectivity-application-failover#SSLcertificatesを参照してください。

サイトデータベースとして使用する目的でSQL Server Expressをインストールするように選択した場合(これはデフォルト設定です)、このソフトウェアのインストール後に再起動が行われます。SQL Server Expressソフトウェアをサイトデータベースとしてインストールしない場合、再起動は行われません。

デフォルトのSQL Server Expressを使用しない場合は、サイトを作成する前に、マシンにSQL Serverソフトウェアがインストールされていることを確認してください。サポートされるバージョンについては、「システム要件」を参照してください。

サイトにDelivery Controllerを追加する必要があり、Controllerソフトウェアが別のサーバーに既にインストールされている場合、このページからこれらのControllerを追加できます。また、データベースをセットアップするスクリプトを生成する予定の場合には、スクリプトを生成する前にControllerを追加します。

手順4:ライセンス

[ライセンス] ページでライセンスサーバーのアドレスを指定して、使用(インストール)するライセンスを決定します。

  • ライセンスサーバーのアドレスを、name:[port]という形式で指定します。名前は、FQDN(完全修飾ドメイン名)、NetBIOS、またはIPアドレスである必要があります。推奨はFQDNです。ポート番号(<port>)を入力しない場合は、デフォルトの27000が使用されます。[接続] をクリックします。ライセンスサーバーに接続されるまでは、次のページに進めません。
  • 接続が確立されると、[既存のライセンスを使用する] がデフォルトで選択されます。ディスプレイには、現在インストールされているライセンスに基づいて、この製品を構成できる互換性のある製品が一覧表示されます。

    • 一覧にある製品(Citrix Virtual Apps PremiumまたはCitrix Virtual Desktops Premiumなど)の1つとしていずれかのライセンスを使用してこの製品を構成する場合は、そのエントリを選択します。
    • この製品で使用するライセンスを(Citrix Manage Licenses Toolを使用して)割り当ててダウンロードしたが、ライセンスをまだインストールしていない場合:

      • [ライセンス ファイルの参照…] をクリックします。
      • ファイルエクスプローラーで、ダウンロードしたライセンスを見つけて選択します。関連付けられた製品が、サイト作成ウィザードの [ライセンス] ページに表示されます。使用するエントリを選択します。
    • 必要な製品が表示されない場合、または割り当て済みライセンスやダウンロード済みのライセンスがない場合は、ライセンスの割り当て、ダウンロード、インストールを実行できます。これを行うには、ライセンスサーバーがインターネットにアクセスできる必要があります。また、必要な製品のライセンスアクセスコードが必要です。コードはメールで届きます。

      • [割り当ておよびダウンロード…] をクリックします。
      • [ライセンスの割り当て] ダイアログボックスでCitrixから届いたライセンスアクセスコードを入力します。[ライセンスの割り当て] をクリックします。
      • 新しいライセンスに関連付けられた製品が、サイト作成ウィザードの [ライセンス] ページに表示されます。使用するエントリを選択します。

      または、[30日間無料のトライアルを使用する] を選択し、ライセンスを後でインストールします。詳しくは、「ライセンス」を参照してください。

手順5:電源管理(リモートPCアクセスのみ)

手順8を参照してください。リモートPCアクセス

手順6:ホスト接続、ネットワーク、およびストレージ

ハイパーバイザーやその他のサービスで仮想マシンを使用してアプリケーションとデスクトップを提供する場合、必要に応じて、そのホストへの最初の接続を作成できます。その接続のストレージリソースとネットワークリソースも指定できます。サイトの作成後、この接続やリソースを変更したり、追加の接続を作成したりできます。詳しくは、「接続とリソース」を参照してください。

  • [接続] ページで指定する情報については、「接続とリソース」を参照してください。

    • ハイパーバイザーやその他のサービスで仮想マシンを使用している場合(またはStudioを使用して専用ブレードPC上でデスクトップを管理する場合)には、接続の種類として [なし] を選択します。

    • リモートPCアクセスサイトを構成しており、Wake on LAN機能を使用する予定の場合、[Microsoft System Center Configuration Manager] を選択します。

    接続の種類に加え、仮想マシンの作成でCitrixのツール(Machine Creation Servicesなど)を使用するか、その他のツールを使用するかも指定します。

  • [ストレージ] および [ネットワーク] ページで指定された情報については、「ホストストレージ」、「ストレージ管理」、「ストレージの選択」を参照してください。

  • ハイブリッド権利ライセンスがあり、パブリッククラウドホスト接続(AWSなど)を追加した場合、その接続はここに一覧表示されます。Citrix Studioを再起動して、パブリッククラウドホスト接続を表示します。

手順7:そのほかの機能

[追加機能] ページで、サイトをカスタマイズする機能を選択できます。情報の入力が必要な項目のチェックボックスをオンにすると、構成ボックスが開きます。

  • App-V公開: App-Vサーバー上のMicrosoft App-Vパッケージのアプリケーションを使用する場合は、この機能を選択します。App-V管理サーバーのURLと、App-V公開サーバーのURLおよびポート番号を入力します。

    ネットワーク共有上にあるApp-Vパッケージのアプリケーションのみを使用する場合は、この機能を選択する必要はありません。

    この機能は、後でStudioから有効/無効にする、または構成することもできます。詳しくは、App-Vを参照してください。

手順8:リモートPCアクセス

リモートPCアクセス展開について詳しくは、「リモートPCアクセス」を参照してください。

Wake on LAN機能を使用している場合、サイトを作成する前にMicrosoft System Center Configuration Managerの構成手順を実行します。詳しくは、「Configuration ManagerとリモートPCアクセスのWake on LAN」を参照してください。

リモートPCアクセスサイトを作成する場合:

  • Wake on LAN機能を使用している場合、Microsoft System Center Configuration Managerのアドレス、資格情報、および接続情報を [電源管理] ページで指定します。
  • [ユーザー] ページで、ユーザーまたはユーザーグループを指定します。すべてのユーザーを自動的に追加するためのデフォルトの機能はありません。また、[マシンアカウント] ページでマシンアカウント(ドメインおよびOU)情報も指定します。

    ユーザー情報を追加するには、[ユーザーの追加] をクリックします。ユーザーとユーザーグループを選択し、[ユーザーの追加] をクリックします。

    マシンアカウント情報を追加するには、[マシンアカウントの追加] をクリックします。マシンアカウントを選択し、[マシンアカウントの追加] をクリックします。[OUの追加] をクリックします。ドメインおよび組織単位を選択して、サブフォルダー内の項目を含めるかどうかを指定します。[OUの追加] をクリックします。

Remote PC User Machine Accounts」という名前のマシンカタログが自動的に作成されます。このカタログには、サイトの作成ウィザードで追加したすべてのマシンアカウントが含まれています。「Remote PC User Desktops」という名前のデリバリーグループが自動的に作成されます。このグループには、追加したすべてのユーザーおよびユーザーグループが含まれています。

手順9:概要

[概要] ページに、指定した情報が一覧表示されます。内容を変更する場合は、[戻る] をクリックします。終了したら、[作成]をクリックするとサイト作成が開始されます。

サイト構成のテスト

サイトの作成後にテストを実行するには、ナビゲーションペインの上部で [Citrix Studio(サイトsite-name)] を選択します。中央のペインで、[サイトのテスト] をクリックします。テスト結果は、HTML形式のレポートで確認できます。

Windows Server 2016にインストールされたControllerでは、サイトのテスト機能がエラーになる場合があります。サイトデータベースにローカルのSQL Server Expressが使用され、SQL Server Browserサービスが開始されていない場合にエラーが発生します。このエラーを回避するには、以下のタスクを行います。

  1. (必要に応じて)SQL Server Browserサービスを有効にして開始します。
  2. SQL Server(SQLEXPRESS)サービスを再開始します。

以前の展開をアップグレードすると、サイトのテストが自動的に実行されます。詳しくは、「事前サイトテスト」を参照してください。

トラブルシューティング

サイトを構成したら、Studioをインストールし、MMCを介してスナップインとしてリモートマシンに追加します。そのスナップインを後に削除しようとすると、MMCの応答が停止する場合があります。この問題が発生した場合は、MMCを再起動してください。