Linux Virtual Delivery Agent

ブラウザーコンテンツリダイレクト

概要

Linux VDAは、Google Chromeでのブラウザーコンテンツのリダイレクトをサポートしています。ブラウザーコンテンツのリダイレクトでは、クライアント側の許可リストに登録されたWebページをレンダリングできます。この機能は、Citrix Workspaceアプリを使用してクライアント側の対応するレンダリングエンジンをインスタンス化し、URLからHTTPおよびHTTPSコンテンツを取得します。

注:

許可リストを使用して、クライアント側にリダイレクトするWebページを指定できます。逆に、禁止リストを使用して、クライアント側にリダイレクトされないWebページを指定できます。

このオーバーレイWebレイアウトエンジンは、VDA上ではなくクライアント上で実行され、クライアントのCPU、GPU、RAM、およびネットワークを使用します。

ブラウザーのビューポートだけがリダイレクトされます。ビューポートは、コンテンツが表示されるブラウザー内の長方形の領域です。ビューポートには、アドレスバー、お気に入りバー、ステータスバーなどは含まれません。これらの項目は引き続きVDAのWebブラウザーで実行されます。

ビューポートの画像

システム要件

Windowsクライアント:

  • Windows向けCitrix Workspaceアプリ1809以降

Linux VDA:

  • VDAのブラウザー:Citrixブラウザーコンテンツのリダイレクト拡張機能が追加されたGoogle Chrome v66以降

ブラウザーコンテンツのリダイレクトの構成

  1. Citrix Studioで、ブラウザーコンテンツのリダイレクトについてURLの許可リストと禁止リストを指定するポリシーを構成します。ブラウザーコンテンツのリダイレクトは、デフォルトで [許可] に設定されています。

    [許可]に設定されたブラウザーコンテンツのリダイレクトの画像

    [ブラウザーコンテンツリダイレクトのACL構成] 設定は、ブラウザーコンテンツのリダイレクトを使用できるURLの許可リストを指定します。URLを指定する場合、ワイルドカード*を使用して、プロトコルを除くすべてのURLコンポーネントを表すことができます。

    以下は許可されている例です:

    • http://www.xyz.com/index.html(URLにパスを指定することにより、より細分化することができます。たとえば、https://www.xyz.com/sports/index.htmlを指定すると、index.htmlページのみがリダイレクトされます。)
    • https://www.xyz.com/*
    • http://www.xyz.com/*videos*
    • http://*.xyz.com/
    • http://*.*.com/

    [ブラウザーコンテンツリダイレクトのACL構成]が選択された状態

    ブラウザーコンテンツリダイレクトの許可リストの設定

    [ブラウザーコンテンツリダイレクトのブラックリスト構成] 設定は、ブラウザーコンテンツのリダイレクトを使用できないURLの禁止リストを指定します。

    ブラウザーコンテンツリダイレクトの禁止リストの設定

    注:

    Linux VDAは現在、[ブラウザーコンテンツリダイレクトのプロキシ構成] 設定をサポートしていません。

  2. VDAの [Chromeに追加] をクリックし、ChromeウェブストアからCitrixブラウザーコンテンツのリダイレクト拡張機能を追加します。これは、VDA上のブラウザーが、(移動先の)URLが許可リストまたは禁止リストと一致するかどうかを検出するのに役立ちます。

    重要:

    この拡張機能はクライアントには不要です。VDAにのみ追加してください。

    Chromeの拡張機能は、ユーザーごとにインストールします。拡張機能を追加または削除する場合に、ゴールデンイメージを更新する必要はありません。

    ChromeウェブストアからCitrixブラウザーコンテンツのリダイレクト拡張機能を追加する画像

許可リスト内に一致するURLがあり(例:https://www.mycompany.com/)、禁止リスト内にはない場合、仮想チャネル(CTXCSB)は、リダイレクトが必要であることをCitrix Workspaceアプリに指示し、URLをリレーします。Citrix Workspaceアプリは、ローカルレンダリングエンジンをインスタンス化し、Webサイトを表示します。

Citrix Workspaceアプリは、Webサイトを仮想デスクトップブラウザーのコンテンツ領域にシームレスにブレンドします。

ビューポートとクライアント

  1. Citrixブラウザーコンテンツのリダイレクト拡張機能のアイコン

    Chrome拡張機能のアイコンの色は、ステータスを指定します。以下の3つの色のいずれかです:

    • 緑:アクティブで接続されています
    • グレー:現在のタブではアクティブではないかアイドル状態です
    • 赤:壊れているか動作していません
  2. クライアントでレンダリングされた、または仮想デスクトップにブレンドされたビューポート
  3. Linux VDA
  4. Windowsクライアント

リダイレクトのシナリオ

Citrix Workspaceアプリがコンテンツをどのようにフェッチするかのシナリオを次に示します:

リダイレクトのシナリオ

  • サーバーフェッチとサーバーレンダリング: サイトを許可リストに登録していないか、リダイレクトに失敗したため、リダイレクトはありません。VDA上でのWebページのレンダリングに戻り、Thinwireを使用してグラフィックスを遠隔操作します。ポリシーを使用してフォールバックの動作を制御します。このシナリオでは、VDAでのCPU、RAM、および帯域幅の消費量が多くなります。
  • クライアントフェッチとクライアントレンダリング: Citrix WorkspaceアプリはWebサーバーに直接接続するため、インターネットにアクセスする必要があります。このシナリオでは、Citrix Virtual Apps and Desktopsサイトからネットワーク、CPU、およびRAMの使用量をすべてオフロードします。

フォールバックのメカニズム

クライアントのリダイレクトが失敗することがあります。たとえば、クライアントマシンでインターネットに直接アクセスできない場合、エラー応答がVDAに返される可能性があります。このような場合、VDA上のブラウザーは、サーバー上のページをリロードしてレンダリングできます。

ブラウザーコンテンツリダイレクト